「準確定申告」は、亡くなったご家族の「亡くなった日を含む年の1月1日~亡くなった日」の所得について、税務署へ申告することです。
毎年2~3月に行う確定申告と概ね同じ手続きを行います。
準確定申告の期限は、亡くなった日から4か月以内に、相続人が行う手続きです。
本記事では、具体的に準確定申告をどうやって行っていくのかを解説します。
ぬくぬくが実際に準確定申告をした手順をご案内いたします。
本記事のとおりに実施すれば、準確定申告を完了できますので、ご一読いただけますと幸いです。
もし、自分で準確定申告書するのが難しい!と思われた方は、初回無料ですので税理士ドットコムでご相談してみてください。
- 『準確定申告書』を確定申告書等作成コーナーで作成して郵送申告する方法
- 準確定申告ステップ①:『準確定申告書』作成に必要な書類を準備する
- 準確定申告ステップ②:『準確定申告書』を確定申告書等作成コーナーで作成する
- 準確定申告ステップ③:『準確定申告書付表』を作成する
- 準確定申告ステップ④:税務署へ郵送する準確定申告書、医療費控除の明細書、付表をコピーする
- 準確定申告ステップ⑤:『返送用の封筒』と『切手』を準備する
- 準確定申告ステップ⑥:準確定申告書の『添付書類』を準備する
- 準確定申告ステップ⑦:準確定申告書を税務署に郵送(提出)する
- 準確定申告ステップ⑧:準確定申告した後「還付金」が振り込まれる【完了】
- 準確定申告書の書き方や必要な添付書類、提出方法のまとめ
『準確定申告書』を確定申告書等作成コーナーで作成して郵送申告する方法
準確定申告は、8ステップで完了させることができます。
それでは準確定申告書を確定申告書等作成コーナーで作成して、準確定申告する方法を詳しく見ていきましょう!
準確定申告ステップ①:『準確定申告書』作成に必要な書類を準備する
まずは、準確定申告書作成を行うにあたって必要な書類を準備します。
準確定申告書作成に必要な書類は次の3つです。
- 源泉徴収票
- 生命保険控除証明書
- 医療費のお知らせはがき、介護施設領収書などの医療費控除に必要な書類
①-1.源泉徴収票を準備する
公的年金等の源泉徴収票
(老齢基礎年金)
公的年金等の源泉徴収票
(共済年金分)
源泉徴収票は上の画像次のような書類です。
年金受給者のうち、公務員だった方は、「老齢基礎年金」と「共済年金分」の源泉徴収票が市区町村から届きます。
死亡届を提出したら、自動的に届きますので、届くまで待ち、届いたら大切に保管しておきましょう。
①-2.生命保険料控除に必要な書類を準備する
生命保険料控除証明書
生命保険控除証明書は、毎年11月ごろに保険会社から届く「保険料払込証明書」のことです。
①-3.医療費控除に必要な書類を準備する
医療費のお知らせ
後期高齢者医療高額療養費支給決定通知書
介護施設利用料の領収書
高額介護サービス支給費
医療費控除に必要な書類は、
- 医療費のお知らせ
- 後期高齢者医療高額療養費支給決定通知書
- 介護施設利用料の領収書
- 高額介護サービス費通知書
など、医療費や介護費用に関わる書類です。
準確定申告に必要な書類がそろったら、次のステップに進んで「準確定申告書」を作成していきましょう。
準確定申告ステップ②:『準確定申告書』を確定申告書等作成コーナーで作成する
2ステップ目は「確定申告書等作成コーナー」を利用して「準確定申告書」を作っていきます。
画面の展開全て細かく手順にしています
ので、誰でも確実に作成できますよー。
②-1.確定申告書等作成コーナーで基本情報を入力する
1.まず、確定申告書等作成コーナーへ移動します。
2.[作成開始]をクリック。
3.[印刷して提出]をクリック。
4.右下の[利用規約に同意して次へ]をクリック。
5.[所得税]をクリック。
6.[作成開始]をクリック
7.被相続人の生年月日、申告内容の質問に回答して[次へ進む]をクリック
②-2.確定申告書等作成コーナーで所得情報を入力する
8.収入金額・所得金額の入力で「公的年金等」で[入力する]または[訂正・内容確認]をクリック
9.公的年金等の入力で[入力する]をクリック
10.公的年金等の入力で、源泉徴収票をもとに、老齢基礎年金分(あれば共済年金分も)を入力して[入力内容の確認]をクリック
11.入力内容が反映されたことを確認して[次へ進む]をクリック
12.公的年金入力内容が反映されていることを確認して[入力終了(次へ)]をクリック
②-3.確定申告書等作成コーナーで医療費控除を入力する
13.医療費控除を入力します。[入力する]または[訂正・内容確認]をクリック
14.適用する医療費控除を選択します。[医療費控除を適用する]をクリック
15.「医療費集計フォームを読み込んで、明細書を作成する」を選択して[医療費集計フォームのダウンロード及び詳細についてはこちら]をクリック
16.[医療費集計フォームダウンロード]をクリック
17.医療費集計フォームに医療費情報を入力していきます。
医療費集計フォームには、以下の内容を入力していきます。
入力項目 | どういう内容を入力するのか |
---|---|
医療を受けた人 | 被相続人、生計を一にする同居家族など医療費控除対象者名を入力 |
病院・薬局などの名称 | 病院・薬局に加え、介護施設などの医療/介護機関名を入力 |
医療費の区分 | どの医療/介護区分に該当するのかを選択 |
支払った医療費の金額 | 窓口支払や口座引落としされた額(医療費の1~3割負担の額) |
左のうち、補填される金額 | 高額療養費の支給で補填された額 |
入力が終わると、自動的に「支払った医療費の金額」「補填される金額」の合計が上部に自動計算されます。
18.[介護施設利用料の領収書]のうち、「医療費控除対象額」を集計フォームの[支払った医療費の金額]列に入力
19.[高額介護サービス支給費]を集計フォームの[左のうち、補填される金額]列に入力
20.[医療費のお知らせ]の「自己負担相当額」と「食事療養・生活療養の標準負担額」の合計金額を集計フォームの「支払った医療費の金額」列に入力
21.[後期高齢者医療高額療養費支給決定通知書]の「支給総額」を集計フォームの「左のうち、補填される金額」列に入力
22.医療費集計フォームの読み込みで[ファイルを選択]をクリックして、作成した医療費集計フォームを選択した後に[選択したファイルを読み込む]をクリック
23.エラーがないことを確認して[次へ進む]をクリック
24.医療費集計フォームに入力した内容が反映されていることを確認して[次へ進む]をクリック
25.医療費控除額が確認できます。[次へ進む]をクリック
26.社会保険料控除を入力します。[入力する]または[訂正・内容確認]をクリック
27.源泉徴収票を入力している場合、自動で表示されますので、金額が正しいか確認して[次へ進む]をクリック
②-4.確定申告書等作成コーナーで生命保険料控除を入力する
28.生命保険料控除情報を入力します。[入力する]または[訂正・内容確認]をクリック
29.[入力する]をクリック
30.保険料払込証明書を見ながら生命保険料控除の入力を行って[入力内容の確認]をクリック
31.入力した内容が反映されていることを確認して[次へ進む]をクリック
32.控除額が自動計算して表示されますので[OK]クリック
33.該当があれば税額控除等の入力を行います。終わったら[入力終了(次へ)]をクリック
②-5.確定申告書等作成コーナーで還付される金額(または納税額)を確認する
34.還付金額が確認できます。画面右下の[次へ]をクリック
35.住民税等に関する事項の入力をして[入力終了(次へ)]をクリック
36.還付金額の確認ができます。
②-6.確定申告書等作成コーナーで還付なら受取方法、納税なら支払方法を入力する
37.[受取方法の選択]は、相続人の代表者口座情報を入力します。
38.[マイナンバーを入力]して[次へ進む]をクリック
②-7.確定申告書を印刷し、手書きで「準確定申告書」へ修正する
39.[帳票表示・印刷]で内容を確認して修正があれば[申告内容の確認・訂正]をクリック
40.ダウンロードしたPDFファイルを印刷して、確定申告書B表(第一表)の表題に「準」を手書きで追記して、「準確定申告書」にします。
41.添付書類台紙に、マイナンバーカードの表と裏を貼り付けます。
42.確定申告書B表(第二表)の表題に「準」を手書きで追記して「準確定申告書」にします。
43.医療費控除の明細書【内訳書】の内容を確認します。件数が多い場合、次のページに「次葉」として明細が載っています。
44.医療費控除の明細書【内訳書】(次葉)の最終行はそのページだけの合計が計算されます。
45.[入力データを保存する]をクリック
これで「準確定申告書」の作成は完了です。
続いて、「確定申告書付表」を作成していきます。
準確定申告ステップ③:『準確定申告書付表』を作成する
「まだ作らないといけないの!?」
って声が聞こえてきそうですが、「確定申告書付表」は2ステップで作れますのでかんたんですよー。
1.国税庁のホームページからひな形をダウンロードします。
2.下記の5項目を記入していきます。
- 亡くなった方の住所、氏名、亡くなった日
- 還付される金額(準確定申告書作成したときに表示された還付金額)
- 相続人代表者の氏名
- 相続人全員の住所、氏名、認印押印、マイナンバー、職業、続柄、生年月日、電話番号
- 還付金を振り込む相続人の口座情報
これで、「準確定申告書付表」の作成は完了です。
お疲れ様でした。
あとは、実際に税務署へ郵送(申告)するだけですよー
準確定申告ステップ④:税務署へ郵送する準確定申告書、医療費控除の明細書、付表をコピーする
これまで準備してきた次の3資料のコピーを準備します。
- 準確定申告書のコピー
- 医療費控除の明細書のコピー
- 準確定申告書付表のコピー
税務署から、後に「控え」として返送してもらうためにコピーします。
準確定申告ステップ⑤:『返送用の封筒』と『切手』を準備する
準確定申告書を税務署に郵送(提出)する際に、次の3点を準備しておきます。
- 「準確定申告書」「医療費控除の明細書」「準確定申告書付表」のコピー
- 返信用封筒(自宅住所を記入しておくこと)
- 返信用封筒に120円切手または140円切手を貼っておく
準確定申告書に申告書や明細などの資料をコピーして、返信用封筒(切手をはったもの)を同封することで
- 税務署受領印
- 控え印
を押印した「準確定申告書」「医療費控除の明細書」「準確定申告書付表」を返送してくれます。
準確定申告ステップ⑥:準確定申告書の『添付書類』を準備する
準確定申告書に必要な添付書類は次のとおりです。
- 医療費控除(医療費のお知らせ)
- 医療費控除(介護施設領収書)
- 源泉徴収票
生命保険控除証明書(2020年分以降の準確定申告では提出不要)- 相続人全員のマイナンバー関係書類(両面)コピー
税務署に郵送する際、相続人全員のマイナンバー関係書類の両面コピーなどを準備します。
準確定申告ステップ⑦:準確定申告書を税務署に郵送(提出)する
準確定申告書を税務署へ郵送(提出)するには、国税庁のホームページ【申告書の提出】に記載があるように郵送(普通)でOKです。
申告書を郵送又は信書便により税務署に送付する場合、通信日付印により表示された日を提出日とみなします(それ以外の場合には税務署に到達した日が提出日となります。)。
※ ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケットでは、信書を送付することはできません。
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/06.htm より
準確定申告書を提出する「宛先」
宛先は角2封筒などに以下のとおり「宛先」と「内容物」記入します。
〇〇税務署 御中
準確定申告書 在中
なお、税務署は住所を明記しなくても届きます。(私は念のため記載しました)
お近くの税務署が分からない場合は、国税庁ホームページ「国税局・税務署を調べる」から確認できます。
準確定申告書に「同封する物」
以下の内容を同封します。
- 準確定申告書
- 確定申告書付表(死亡した者の[元号]〇〇年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書))
- 源泉徴収票の原本
- 生命保険控除証明書の原本
- 医療費のお知らせはがきの原本
- 介護施設領収書の原本
- 相続人全員のマイナンバー関係書類(両面)コピー
- マイナンバーカードが無い場合、身分証明書コピー
- 準確定申告書、確定申告書付表、医療費控除の明細書のコピー
- 返信用封筒(120円切手を貼って、自宅住所を記入したもの)
準確定申告書を「発送」する方法
発送は郵便局の郵送窓口で提出することをおすすめします。
同封物が多くなりますので、幾ら切手が必要かがわかる方は投函でも良いでしょう。
なお、今や郵便局でもキャッシュレスで決済できます。
詳しくは 郵便局でキャッシュレス決済が可能に!切手や収入印紙は対象か? もご覧ください。
準確定申告ステップ⑧:準確定申告した後「還付金」が振り込まれる【完了】
準確定申告書を税務署へ郵送(提出)して1か月程度で、税務署から「国税還付金振込通知書」が届きます。
大切に保管しておきましょう。
この通知書は、ぬくぬくが実際にこの手順で準確定申告をしたときに届いた還付通知書ですよー。
準確定申告書の書き方や必要な添付書類、提出方法のまとめ
いかがでしたしょうか?
『準確定申告』を確定申告書等作成コーナー+郵送で申告する方法をまとめますと、下記のとおりです。
- 準確定申告書の作成は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して、ベースを作成します。
- 手書きで「準確定申告書」にします。
- 確定申告書付表を作成します。
- 根拠資料と共に、お近くの税務署で郵送します。
医療費控除を受ける場合、必要資料を揃えるのが一番大変かもしれませんね。
なお、準確定申告の全体像や、準確定申告をしないとどうなるのかについては 【死亡時の対応】4か月以内に行う手続き(準確定申告のみ!) をご覧ください。
ご自身の確定申告を行いたい方は【2022年】確定申告のやり方を画像96枚で解説!にまとめていますので、こちらをご覧ください。
もし、自分で準確定申告書するのが難しい!と思われた方は、初回無料ですので税理士ドットコムでご相談してみてください。
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