投資を始めるときに「つみたてNISA」か「一般NISA」か散々悩みましたよね。
- 「つみたてNISA」から「一般NISA」へ変えたい。
- 「一般NISA」から「つみたてNISA」へ変えたい。
こんなお悩みにお答えします。
「つみたてNISA」「一般NISA」に加えて、2024年からの「新NISA(仮)」など、一度選択したNISA口座は変更できるのか、変更する場合の注意すべき点が複雑で迷いますよね?
という方が多いのではないでしょうか。
本記事では「新NISA(仮)」を勘案した「つみたてNISA」「一般NISA」の区分変更についてのお悩みを解決します。
ぬくぬくは昔「つみたてNISA」で運用してましたが、2021年から「一般NISA」に区分変更しました!
5分くらいで、「つみたてNISA」「一般NISA(新NISA)」の区分変更を行うかどうかの判断ができますので、ご一読いただけますと幸いです。
実際に私が区分変更した流れはSBI証券で「つみたてNISA」から「一般NISA」に勘定変更してみた!で解説していますので是非ご覧ください。
- つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更で注意すべき10のこと
- 注意点①:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更は取引有無で9/30が分岐点
- 注意点②:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更中に投資可能枠が一時停止される
- 注意点③:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更後(翌年)の注文はいつから可能に?
- 注意点④:一般NISA(2023年まで)と新NISA(2024年から)のロールオーバーで一般NISAの2回目ロールオーバーできるか不明
- 注意点⑤:「つみたてNISA」「一般NISA(新NISA)」区分は年ごとに管理されている
- 注意点⑥:「つみたてNISA」⇔「一般NISA」間で株や投信の移管はできない
- 注意点⑦:一般NISAからつみたてNISAへ区分変更すると一般NISAで既に保有している商品のロールオーバーができない
- 注意点⑧:別の証券会社の一般NISA(新NISA)口座へロールオーバーできない
- 注意点⑨:一般NISA⇔つみたてNISAへロールオーバーはできない
- 注意点⑩:一般NISAから新NISAへのロールオーバーは複雑だけど可能
- つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更手続き2ステップ
- SBI証券は定期買付「NISA枠ぎりぎりで買付を止める」「NISA枠を超えたら課税口座で買う」が設定できる
- つみたてNISAから一般NISAを経由して新NISAへ移行すると非課税枠が1,000万円を超える
- 最近疑義が出てきた米国ETFの「インカムゲイン」
- さいごに(ぬくぬくの出口戦略)
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更で注意すべき10のこと
No | 大区分 | 注意すべきこと |
---|---|---|
1 | 区分変更 | つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更は取引有無で9/30が分岐点 |
2 | 区分変更 | つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更中に投資可能枠が一時停止される |
3 | 区分変更 | つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更後(翌年)の注文はいつから可能に? |
4 | 区分変更 | 一般NISA(2023年まで)と新NISA(2024年から)のロールオーバーで 一般NISAの2回目ロールオーバーできるか不明 |
5 | 前提知識 | 「つみたてNISA」「一般NISA(新NISA)」区分は年ごとに管理されている |
6 | 前提知識 | 「つみたてNISA」⇔「一般NISA」間で株や投信の移管はできない |
7 | ロールオーバー | 一般NISAからつみたてNISAへ区分変更すると 一般NISAで既に保有している商品のロールオーバーができない |
8 | ロールオーバー | 一般NISA(新NISA)口座へ別の証券会社へロールオーバーできない |
9 | ロールオーバー | 一般NISA⇔つみたてNISA間でのロールオーバーはできない |
10 | ロールオーバー | 一般NISAから新NISAへのロールオーバーは複雑だけど可能 |
つみたてNISA⇔一般NISA(新NISA)を変更するにあたって、それぞれの特徴・制限があることから、区分変更で注意すべき点が10個あります。
それではつみたてNISA・一般NISAの区分変更の注意点を詳しく解説していきます!
注意点①:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更は取引有無で9/30が分岐点
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更は、どの証券会社でも9/30が分岐点になります。
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠を「利用していない」場合
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠で売買していなければ、9月30日までに手続き完了することで、区分設定変更したい年の区分変更が可能です。
例えば、2022年の一般NISA枠で売買していなければ、2022年9月30日までに区分設定変更すると、2022年の一般NISA枠をつみたてNISA枠へ変更できます。
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠を「利用している」場合
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠で売買していると、10月1日から12月31日の期間だけ区分変更を手続きできます。
12月31日までに区分設定変更手続きが完了すれば、翌年から区分変更できます。
申込年の区分設定は変更できません。
買付・再投資などにより投資可能枠を利用している場合、その年の1月1日から9月30日の間は制度上受付できず不備返却となります
例えば、2022年のつみたてNISA枠で売買していたら、2022年10月1日から12月31日の期間に一般NISA枠へ区分変更手続きができ、2023年から一般NISA枠を利用できます。
注意点②:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更中に投資可能枠が一時停止される
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更中は、区分変更の対象となる年の取引が一時停止されます。
2020年10月につみたてNISAから一般NISAに区分変更して、翌年1月4日から買付した流れをSBI証券で「つみたてNISA」から「一般NISA」に区分変更してみた!で詳しく解説しています。
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更を「1月1日~9月30日」に申込した場合【当年取引無しの場合】
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠をその年利用していない場合に、区分変更の申込が1/1~9/30にできます。
区分設定の変更の手続きを行うために、「区分変更申込日~区分設定変更完了まで」の間、申込年の投資可能枠の利用がおよそ1ヵ月間停止されます。(つみたて設定している分も停止されます。)
区分変更申込して、書類返送してから1~2営業日程度で変更手続きが完了すれば、投資可能枠が利用できるようになります。
なお、区分設定変更が完了する前に、投資可能枠の停止をキャンセルできますが、区分変更したい場合、再度、書類請求が必要になります。
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更を「10/1~12/31」に申込した場合【当年取引ありの場合】
区分設定変更前のつみたてNISA枠または一般NISA枠をその年利用している場合に、区分変更の申込が10/1~12/31にできます。
翌年1/1~1/31の投資可能枠が停止されます。
※当年の投資可能枠は利用できます。
注意点③:つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更後(翌年)の注文はいつから可能に?
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更を「1/1~9/30」に申込した場合【当年取引無しの場合】
当年取引無しNISA口座で取引が無く「1/1~9/30」に申込した場合、区分設定変更完了する、およそ1ヵ月間後に区分変更後のつみたてNISA・一般NISAで取引できます。
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更を「10/1~12/31」に申込した場合【当年取引ありの場合】
口座区分 | 発注方法 | 銘柄 | 楽天証券 |
---|---|---|---|
一般NISA | 通常注文 | 国内株式 | 2021.12/28(火)17:15~ |
一般NISA | 通常注文 | 外国株式(米国株式) | 2021.12/28(火)8:00~ |
一般NISA | 通常注文 | 投資信託 | 2021.12/23(木)15:00~ |
一般NISA | 積立注文 | 2021.12/28(火)~ | |
つみたてNISA | 楽天カード決済 | 2021.12/1(水)~ | |
つみたてNISA | その他 | 2021.12/27(月)17:15~ |
2021年に区分申請して、2022年から変更後の区分で取引できるようになるのは上記日程でした。
証券会社によって異なりますので、ご自分でご利用している証券会社で、区分変更時、取引が開始できる日時はよく確認しておきましょう!
注意点④:一般NISA(2023年まで)と新NISA(2024年から)のロールオーバーで一般NISAの2回目ロールオーバーできるか不明
先に一般NISA(2023年まで)から新NISA(2024年から)へロールオーバーできることを書きましたが、2014~2018年に一般NISAで買付している人は、2回目のロールオーバーができるかもしれません。
ただし、2020.9月時点で、金融庁から正式な発表はありませんので、定かではありません。
金融庁などの公的機関から発表があれば更新します。
老後2000万円問題もあって、個人で老後資金を形成していかなければならない時代ですので、一般NISA→新NISAでロールオーバーできるようであれば、今後もロールオーバーを続けていけることを切に望むところですね。
注意点⑤:「つみたてNISA」「一般NISA(新NISA)」区分は年ごとに管理されている
「つみたてNISA」「一般NISA(新NISA)口座」の区分の口座どちらか1つの口座を、
1つの金融機関でしか作成できません。
しかし、NISA口座は、各年ごとに区分口座として管理されているので、
年ごとに「つみたてNISA」と「一般NISA」を切り替えられます。
区分変更できる・できないの具体例を見てみましょう。
NISA口座は、同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません。
一般NISA・つみたてNISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、
1人につき1口座に限られ、複数の金融機関には申し込みできません。
金融機関を変更して、複数の金融機関でNISA・つみたてNISAの口座を開設した場合は、各年において1つの口座でしか取引できません。
注意点⑥:「つみたてNISA」⇔「一般NISA」間で株や投信の移管はできない
既に保有している「一般NISA」の商品は「つみたてNISA」へ移管できません。
逆に、既に保有している「つみたてNISA」の商品は「一般NISA」へ移管できません。
いずれも区分変更前の口座区分で、非課税期間を終えるまで保有し続けることになります。
注意点⑦:一般NISAからつみたてNISAへ区分変更すると一般NISAで既に保有している商品のロールオーバーができない
一般NISAからつみたてNISAへ区分変更すると、一般NISAで既に保有している商品をロールオーバーできません。
一般NISAで保有していた商品をロールオーバーしたい場合、つみたてNISAから一般NISAへ区分変更することで、ロールオーバーできます。
なお、ロールオーバーしなくても、最初の5年間の非課税期間中であれば、配当金、分配金や売買益等は非課税のままです。
注意点⑧:別の証券会社の一般NISA(新NISA)口座へロールオーバーできない
NISA区分口座は、各年ごとに管理しており、ひとつの証券会社での管理になるため、別の証券会社に”受け”となる同一年のNISA区分口座を作れないため、ロールオーバーできません。
別の証券会社へ一般NISA(新NISA)口座を移管してからであれば、ロールオーバーできます。
注意点⑨:一般NISA⇔つみたてNISAへロールオーバーはできない
ロールオーバーは「非課税投資枠に移行(移管)する」行為ですので、先に記載した通り、別区分口座間でのロールオーバーはできません。
注意点⑩:一般NISAから新NISAへのロールオーバーは複雑だけど可能
2024年から始まる新NISAですが、金融庁の公表文書によると「一般NISA」から「新NISA」へロールオーバーできます。
一般NISAから新NISAへのロールオーバー
(出典)金融庁 新しいNISA制度の概要と改正の狙い より
5年間の非課税期間終了時において、一般NISA内全額を新NISAにロールオーバーをすることが可能(時価ベース)
ロールオーバーの優先順
新NISAの2階部分:102万円の枠を先に利用
新NISAの1階部分:2階部分の102万円の枠を使い切ったら、1階部分の20万円の枠を利用する
枠を超えたロールオーバー
122万円の枠を超えるロールオーバーは、2階部分に入る
つみたてNISA⇔一般NISAの区分変更手続き2ステップ
これまで紹介してきた下記の注意点を踏まえて、NISA口座の区分を変更する場合、手続きは簡単です。
- NISA区分は年ごとに管理されている
- NISA間で株や投信の移管はできない
- つみたてNISAにすると一般NISAで既に保有している商品のロールオーバーができない
- 別の証券会社へロールオーバーできない
- NISA間でロールオーバーはできない
- 一般NISAから新NISA(仮)へのロールオーバーは可能
- 「株式数比例配分方式」なら配当金・分配金が非課税
- NISAの配当金は外国税額控除を受けられない
- NISAは確定申告不要
- NISAの区分変更は9/30が分岐点
- NISAの区分変更中に投資可能枠が一時停止される
- NISAの区分変更後の投資可能になる日が証券会社ごとに異なる
- 一般NISAから新NISA(2024年から)のロールオーバー(2回目)は不明
区分変更ステップ①:証券会社で区分変更申請を行う
SBI証券の場合は、ログイン画面右側の「NISA→つみたてNISA」または「つみたてNISA→NISA」の「変更」ボタンから、区分変更手続きを申し込みします。
区分変更ステップ②:区分変更依頼書が届くので、名前等を記載して返送
うちも来ました。SBI証券のNISA→つみたてNISA勘定変更依頼書。氏名と提出年月日を書くだけ。 pic.twitter.com/S5MrjM8sal
— じゅん@ (@junatmark) October 23, 2017
勘定変更依頼書が届きますので、名前等を記載して返送するだけ!
実際にぬくぬくが区分変更した流れを「SBI証券で「つみたてNISA」から「一般NISA」に区分変更してみた!」に記載していますので是非ご覧ください。
SBI証券は定期買付「NISA枠ぎりぎりで買付を止める」「NISA枠を超えたら課税口座で買う」が設定できる
SBI証券の場合、定期買付「NISA枠ぎりぎりで買付を止める」「NISA枠を超えたら課税口座で買う」が設定できます。
私は「NISA枠を超えたら課税口座で買う」で積み立て設定していく予定です。
つみたてNISAから一般NISAを経由して新NISAへ移行すると非課税枠が1,000万円を超える
私は2020年までつみたてNISAで投資していますが、2021から一般NISAへ区分変更しました。
つみたてNISAから一般NISAを経由して新NISAへ移行すると
非課税枠が1,000万円を超える!
上の画像のとおり、
- 一般NISAから新NISAへロールオーバーが可能
- 新NISAからつみたてNISAへのロールオーバーができる
ため、最終的には1,000万円を超える非課税枠を確保できることになりますので、
この恩恵を受けようと考えています。
メインはあくまで「投資信託分散投資のキャピタルゲイン」とし、
投資金額は、毎月5万円、年間60万円とし、ロールオーバーして6年目以降は追加で毎月5万円分を購入し、120万円の非課税枠を使い切ります。
これで、時間分散、資産分散と、毎月3万円では足りなかった枠を使うことができます。
なお、ロールオーバーについては、結局永久化することを想定していますので、老後に使う時までロールオーバーを繰り返し、評価益分の非課税の恩恵を受けていこうと考えています。
最近疑義が出てきた米国ETFの「インカムゲイン」
私はあくまで遊びの範囲で、米国ETF(SPYD,HDV,VYM)のインカムゲインを楽しんでいます。
投資成果を肌で感じたいことから始めた米国株ETFの高配当投資ですが、四半期ごとに配当金が手元に来るのは嬉しいものですね。
米国ETFについては、一般NISAへ区分変更し、2024年に新NISAになっても、次の理由から特定口座でそのまま運用していきます。
さいごに(ぬくぬくの出口戦略)
老後に取り崩していくときは「3%ルール」で取り崩していく予定です。
詳細は資産運用の出口戦略「4%ルール」で老後資金を取り崩せる証券会社は?で解説していますので、そちらをご覧ください。
実際に私が区分変更した流れはSBI証券で「つみたてNISA」から「一般NISA」に区分変更してみた!で解説していますので是非ご覧ください。
「資産運用」「投資」について深く知りたい方は30代でも遅くない!「資産運用」「投資」の始め方15ステップ!にまとめていますので是非ご一読ください!
以上、ご参考になれば幸いです。