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『高額介護サービス費』をわかりやすく言うと高額療養費制度の介護版!

高額介護サービス費とは?
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 特別養護老人ホームなどで介護サービスを受けたとき、1か月間の介護サービス費が高額になったときに返還されるのが「高額介護サービス費」です。

  • 高額介護サービス費とは?
  • 高額介護サービス費で受け取れる金額の計算方法は?
  • 高額介護サービス費の対象は?

こんなお悩みにお答えします。

本記事をご覧の方は、高額介護サービス費について

  • 高額介護サービス費なるものを知ったけど、対象かどうか知りたい
  • 介護サービスを受けたとき、自己負担上限額を知りたい
  • 高額介護サービス費の支給申請したい
  • 高額介護サービス費が医療費控除になるか知りたい

という方が多いのではないでしょうか。

本記事でわかること
  • 高額介護サービス費」とは?
  • 高額介護サービス費の「計算方法」は?【2021年年8月1日~】
  • 高額介護サービス 費で「対象」「対象外」になるもの
  • 高額介護サービス費の「支給申請方法」5ステップ
  • 高額介護サービス費の「支給日」は2~3か月後
  • 高額介護サービス費は確定申告で「医療費控除」を受けるときどう処理する?
ぬくぬく
ぬくぬく

「高額介護サービス費」がどういう制度か、受給できる金額がいくらなのか計算する方法などをかんたんに解説していきますよー

この記事を書いた人
ぬくぬく

家族の終活、介護、相続を1世代早く経験した30代サラリーマン。

【終活・介護・相続】
 ここ5年ほど、祖父の「終活」「介護」「相続」に取り組んできました。
 艱難辛苦した経験を書いています。

【投資・資産運用】
 2019年6月の老後2000万問題から、投資・資産運用を開始。
 家計の見直しで1年間で400万円貯めました!
 「米国ETF」と「全世界投資」でハイブリッド運用中!

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 5分くらいで、高額介護サービス費のポイントが分かって、介護負担を軽減できるかもしれませんので、ご一読いただけますと幸いです。

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「高額介護サービス費」とは?

高額介護サービス費
介護保険の負担軽減における「高額介護サービス費」の立ち位置

 「高額介護サービス費」とは、毎月の介護サービス費における1~3割の自己負担額が所得や要介護度に応じた上限額を超えた場合、超えた分が介護保険から支給される制度のことです。

 公的医療保険で、医療費の自己負担額が高額となった時に高額療養費として自己負担限度額以上の金額が戻ってくるのと同じで、公的医療保険における「高額療養費」の介護サービス版が「高額介護サービス費」です。

 高額介護サービス費の支給を受けるには、最初の1回だけ、市区町村に申請が必要です。

 1度申請してしまえば、以降、申請した銀行口座に高額介護サービス費を振り込んでくれます。

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「高額介護サービス費」の計算方法は?【2021年年8月1日~】

高額介護サービス費の年収別自己負担限度額一覧
高額介護サービス費の年収別自己負担限度額一覧

 「高額介護(介護予防)サービス費」は、同月内に利用した介護サービスで支払った1~3割の自己負担の合計額が、上限額を超えた分の額を支給されます。

 利用限度額は介護老人福祉施設などに入所・通所して受ける「施設サービス」と、ホームヘルプなど在宅で受ける「居宅サービス」で上限が異なります。

施設サービスの自己負担限度額(月額)

高額介護サービス費の自己負担上限額【令和3年8月1日~】
高額介護サービス費の自己負担上限額【令和3年8月1日~】

 施設サービスの自己負担限度額は、「所得区分」に応じた上限額が設定されており、上限額を超えた自己負担額が高額介護サービス費として受給できます。

 例えば、年収383万円以上の住民税課税世帯の人が介護老人福祉施設に入所しており、

 次のような介護サービス費63,165円の請求があったら、

介護サービス費

 自己負担上限額の44,400円を超えた18,765円を申請した口座に振り込んでもらえます。

高額介護サービス費

 ※「食費」や「居住費」は高額介護サービス費の対象外となります。

令和3年8月1日から、新たに「年収1160万円以上」「770万円以上」の所得区分が追加されました。

居宅サービスの利用限度額(月額)

居宅サービスの利用限度額(月額)
居宅サービスの利用限度額(月額)

 居宅サービスの利用限度額は「要介護度」に応じた上限額が設定されており、利用上限額を超えた分は全額自己負担となり、自己負担額総額を高額介護サービス費として受給できます。

Q
高額介護サービス費の計算するときの所得区分は、いつの所得で決められるの?
A

前年中の所得です。例えば令和3年中に適用される区分は「令和2年1月1日~令和2年12月31日の所得」で区分が決まります。

高額介護サービス 費で「対象」になるもの

 介護サービスの利用料として支払った自己負担部分の合計額が「高額介護サービス」の対象となります。

高額介護サービス費で対象になる「入居(施設介護)サービス」

高額介護サービス費で対象になる「入居(施設介護)サービス」
高額介護サービス費で対象になる「入居(施設介護)サービス」

 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設などの介護サービス費が対象になります。

高額介護サービス費で対象になる「通所(施設通所)サービス」

高額介護サービス費で対象になる「通所(施設通所)サービス」
高額介護サービス費で対象になる「通所(施設通所)サービス」

 ショートステイやデイサービスなどの介護サービス費が対象になります。

高額介護サービス費で対象になる「居宅(在宅介護)サービス」

高額介護サービス費で対象になる「居宅(在宅介護)サービス」
高額介護サービス費で対象になる「居宅(在宅介護)サービス」

 ホームヘルプや訪問介護などの介護サービス費が対象になります。

高額介護サービス費で「対象外」になるもの

高額介護サービス費で「対象外」になるもの
高額介護サービス費で「対象外」になるもの

 高額介護サービス費で対象外になるのは次のリストにあるとおりです。

高額介護サービス費で「対象外」になるもの
  • 福祉用具貸与(福祉用具レンタル料)
  • 特定福祉用具販売(福祉用具購入費)
  • 住宅改修(スロープ設置など)
  • レクリエーションの費用
  • 居住費(入所サービス)
  • 滞在費(通所サービス)
  • 食費
  • 差額ベッド代
  • 日用生活品
  • 医療保険(通院治療など)の自己負担額
  • 配食サービス

 福祉用具貸与(介護ベッドや車いす、歩行器のレンタル)は、毎月の支給限度額まで1~3割の自己負担でレンタルできる介護保険のサービスが適用されるため、高額介護サービス費の対象外です。

 福祉用具販売(入浴補助用具など)は、1年間に10万円分まで、1~3割の自己負担で購入できる介護保険のサービスが適用されるため、高額介護サービス費の対象外です。
 例えば、10万円の福祉用具を購入した場合、自己負担割合1~3割なので、1~3万円の自己負担になります。

 住宅改修(スロープ設置など)は、一生涯に20万円分まで、1~3割の自己負担で購入できる介護保険のサービスが適用されるため、高額介護サービス費の対象外です。
 例えば、20万円の住宅改修を行った、自己負担割合1~3割なので、2~6万円の自己負担になります。

高額介護サービス費の支給申請方法5ステップ

高額介護サービス費の支給申請方法5ステップ
  • 介護サービス利用実績を見て市区町村役場から申請書が届く
  • 「高額介護サービス費支給申請書」に必要事項を記入
  • 「高額介護サービス費支給申請書」を市区町村役場へ提出する
  • 初回の「高額介護サービス費」が支給される
  • 2回目以降は自動的に「高額介護サービス費」が支給される

 高額介護サービス費の支給を受けるための申請の流れ5ステップを簡単に解説していきます。

申請ステップ①:介護サービス利用実績を見て市区町村役場から申請書が届く

高額介護サービス費支給申請書
高額介護サービス費支給申請書書き方

 介護サービスを受けて、高額介護サービス費支給対象の月と思われる月の3か月後に、市区町村役場の介護保険課から、「高額介護サービス費支給申請書」が届きます。

申請ステップ②:「高額介護サービス費支給申請書」に必要事項を記入

 「高額介護サービス費支給申請書」に必要事項を記入・押印します。

申請ステップ③:「高額介護サービス費支給申請書」を市区町村役場へ提出する

 「高額介護サービス費支給申請書」を市区町村役場指定の窓口に持参するか郵送して提出します。

申請ステップ④:初回の「高額介護サービス費」が支給される

 高額介護サービス費は、初回の申請が受理されれば、概ね2か月後に、申請した口座に振り込まれます。

申請ステップ⑤:2回目以降は自動的に「高額介護サービス費」が支給される

 高額介護サービス費は、支給申請を1度行ってしまえば、2回目以降も初回に申請した口座へ自動的に振り込まれます。

 したがって、毎月の申請は不要です。

高額介護サービス費の「支給日」は2~3か月後

 高額介護サービス費の支給日(振り込まれる日)は、申請の翌月末です。

 1度申請してしまえば、次回以降は、高額介護サービス費支給該当月の翌月に、指定の口座に自動的に振り込まれます。事前に送られてくる「支給決定通知書」で振込日を確認できます。

 市区町村への初回申請時は、おおむね2か月程度で支給されます。

高額介護サービス費は確定申告で「医療費控除」を受けるときどう処理する?

医療費控除額=「介護サービス費(自己負担額)」ー「受給した高額介護サービス費」

 介護サービス費は医療費控除の対象になるため、確定申告するときには、「介護サービス費(自己負担額)」ー「受給した高額介護サービス費」を医療費控除額として申告します。

 特別養護老人ホームなどの「施設サービス」では、自己負担額の1/2が医療費控除の対象となります。

施設名医療費控除の対象医療費控除の対象外
指定介護老人福祉施設
【特別養護老人ホーム】
指定地域密着型介護老人福祉施設
「介護サービス費」「食費」「居住費」に係る
自己負担額の1/2に相当する金額
・日常生活費
・特別なサービス費用
介護老人保健施設「介護サービス費」「食費」「居住費」に係る
自己負担額として支払った金額
・日常生活費
・特別なサービス費用
指定介護療養型医療施設
【療養型病床群等】
「介護サービス費」「食費」「居住費」に係る
自己負担額として支払った金額
・日常生活費
・特別なサービス費用
介護医療院「介護サービス費」「食費」「居住費」に係る
自己負担額として支払った金額
・日常生活費
・特別なサービス費用
国税庁「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」より

高額介護サービス費でよくある質問

Q
なぜ高額介護サービス費を反映した金額で支払できないの?
A

介護サービスは、被保険者本人の負担軽減が目的であり、一般的に介護サービスは「デイサービス、ヘルパー、訪問介護」など、複数の事業者にまたがる可能性が高いため、ひと月の介護サービスをまとめて翌月末に還元する仕組みとなっているためです。

Q
高額介護サービス費の時効はいつ?
A

介護サービスを利用した月の翌月の初日から2年です。

例えば2021年9月の介護サービス費が「高額介護サービス費支給」に該当するなら、時効日は2023年10月1日です。

高額介護サービス費について、支給を受ける権利の消滅時効は介護サービス利用
月の翌月の初日から二年であり、この時効にかかっていないものであれば過去に
さかのぼって支給申請することができ、該当する高額介護サービス費の有無につ
いては、当該自治体の介護保険担当に照会することにより確認することができま
す。

厚生労働省発行「介護保険最新情報Vol531」より

『高額介護サービス費』をわかりやすく言うと「高額療養費制度」の介護バージョン!

 いかがでしたでしょうか?

 高額介護サービス費は、公的医療保険における「高額療養費」制度の介護版というのがご理解いただけたと思います。

 高額介護サービス費があるため、1か月の介護サービス費用で高額になっても、2か月以内に自己負担上限額を超えた分は返還されます。

 ただし、「いったん自己負担分は全額払う必要がある」という点が、公的医療保険と異なります。

 公的医療保険はマイナンバーカードの健康保険証化に伴い、2023年にはオンライン資格確認で窓口負担が自己負担上限額を超えずに支払えるようになります。

 しかし、介護保険の介護サービス費は、いったん自己負担上限額を超えて支払って、後日、自己負担上限額を超えた分が返還されます。

 介護保険証もマイナンバーカード化して、介護サービス費でも自己負担上限額を超えた分を支払わずに済むようになると良いなと思う、今日この頃です。

介護
この記事を書いた人
ぬくぬく

家族の終活、介護、相続を1世代早く経験した30代サラリーマン。

【終活・介護・相続】
 ここ5年ほど、祖父の「終活」「介護」「相続」に取り組んできました。
 艱難辛苦した経験を書いています。

【投資・資産運用】
 2019年6月の老後2000万問題から、投資・資産運用を開始。
 家計の見直しで1年間で400万円貯めました!
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