私は年相応の認知機能が低下した祖父を数か月介護していました。
正直、気が狂いそうになるほど大変でした。
もし、認知症で認知機能や見当識障害の徘徊や暴れる、物とられなどの症状が出ていたらと考えると、介護離職はもとより、生きていたかどうかすら怪しいです。
本記事では
についてお伝えしていきます。
介護施設への入居の切っ掛けにしていただけると幸いです。
認知症対応の介護施設へ入居してもらうべきタイミングは?
認知症対応の介護施設へ入居してもらうべきタイミングは
- 検索して本記事にたどり着いた
- もう限界(検索で本記事に来た人漏れなく全員)
- 日中仕事で介護・介助できない
どれかひとつでも当てはまれば、もう今すぐが入居のタイミングです。
認知症対応の介護施設へ入居してもらう理由
認知症対応の介護施設へ入居してもらう理由は次のとおりです。
- あなたも生きてる。感情があるし、限界もある。
- あなたはこれからも生きていかなければならない。
- 個人での介護には限界があります。
そもそも「つらい」「疲れた」で検索して本記事に辿り着いている時点で、要介護4~5でしょう。だとしたら、既に個人での介護は完全に限界を超えています。働きながら、なんてことは、よほどの信念が無いと乗り越えられません。
とは言え、何となく抵抗感を抱いていると思います。
認知症対応介護施設への入居で介護者が持つ抵抗感や葛藤
介護施設へ入居してもらうにあたって
「今までお世話になったから…」
「厄介払いするみたいで(私や親戚の目が嫌だ)…」
「恩を仇で返すみたいなこと(したくない)…」
のような、色々な抵抗感や葛藤が生まれます。
私が期間は短いながらも介護した立場からお返しすると
「もう既にいっぱいいっぱいになるまでお世話してますよね?」
「(親戚などに対し)ではあなたが面倒見てください」
「嫌々面倒みられても本人には伝わってます。気持ちのいいもんじゃないです。」
と思います。
皆さん、馬鹿じゃありません。介護の大変さは体験していなくても何となくは分かっています。
そんなのエゴだ!
と言ってくる輩もいるかもしれません。そうですよ?そんなの当たり前です。
そんな第三者は「お金は出してくれますか?」「子供を育ててくれますか?」「仕事をしてくれますか?」「あなたの生活を支えてくれますか?」
介護する・しているのはあなたです。散々悩んで、苦労してるのはあなたです。
人の苦労を理解できない、理解しようとしない人との関係は切ってください。そんは家族や親族、友人は、あなたにとって、これからの人生で有害でしかありません。「嫌われる勇気」を持ちましょう。
四の五の言って躊躇う理由付けをしなくていいです。
今すぐ介護施設へ入居してもらう準備を整えましょう。
認知症に対応した介護施設は?
認知症に対応した介護施設には多く4種類あります。
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- グループホーム(認知症対応型生活介護)
- 有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
まずは大枠を一覧で見ていきましょう。
認知症対応の介護施設一覧
特別養護老人 ホーム (特養) | サービス付き 高齢者向け住宅 (サ高住) | グループホーム (認知症対応型 生活介護) | 有料老人 ホーム | |
---|---|---|---|---|
施設概要 | 要介護者の 「終の棲家」 | 高齢者住居 | 認知症高齢者 のための 共同生活住居 | 高齢者住居 |
主な対象者 | ・65歳以上 ・常時介護が必要 | ・60歳以上 ・60歳未満の 要介護/支援者 | ・要介護/支援者 ・認知症者 | 老人 |
入所可能な介護度 | ・要介護3~5 ・認知症なら 要介護1~2を含む | 自立~要介護3 | 要支援2~要介護5 | 自立~要介護5 |
食事 | 〇 | オ | 〇 | オ |
介護(入浴/排泄) | 〇 | オ | 〇 | オ |
家事(洗濯/掃除) | 〇 | オ | 〇 | オ |
健康管理 | 〇 | オ | 〇 | オ |
機能訓練 | △ | オ | 〇 | オ |
安否確認 | 〇 | 〇 | 〇 | オ |
生活相談 | 〇 | 〇 | 〇 | オ |
バリアフリー | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
医療 | △ | オ | △ | △ |
定員数(人) | 516000 | 146544 | 176900 | 349975 |
入居一時金 | 0円 | 0~数十万円 | 0~数百万円 | 0~数百万円 |
月額料金 | ~15万円 | 10~30万円 | 15~30万円 | 15~35万円 |
認知症対応の施設の定員割合はどのような傾向は次のとおりです。半数近くは「特別養護老人ホーム」で、次いで多いのが「有料老人ホーム」です。
それぞれ「どういった施設か」「サービス内容」「探し方」を見ていきましょう。
1.特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは?
寝たきりや認知症で、常に介護が必要であり、自宅での生活が厳しい方のための施設。
入居対象者は原則として要介護度3以上ですが、
認知症で日常生活に支障をきたしていて、在宅生活が困難な場合は「要介護度1~2」でも入居できる場合があります。
- 食事、入浴、排せつなど日常生活上の介護
- リハビリテーションなどの機能訓練
- バイタルチェックなど日常の健康管理
- 相談援助
- レクリエーション
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」へアクセスして、お住いの都道府県を選択→「詳しい条件で探す」→サービスの種類で「介護老人福祉施設」を選択して検索します。
「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」が、費用を一番安く抑えられ、かつ、サービスも潤沢です。
認知症で介護施設を検討する場合、まずは「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」を第一優先にしましょう。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)については次の記事を参考にしてください。
また、介護老人保健施設でも認知症に対応している場合があります。通常3か月程度の期限付き、場合によっては3か月以上(私の祖父は3か月以上いました)対応してくれます。
2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
自分のことをある程度自分でできる人向けです。
民間事業者が運営主体の「バリアフリー対応の賃貸住宅」です。
日中は生活相談員が常駐しており、
・安否確認
・生活相談
をしてくれます。
ただし、介護などのサービスはオプションで、外部の介護サービスなどと契約が必要になります。
自立~軽度要介護(要介護3まで)
必須サービス
- 安否確認
- 生活相談
オプション
- 食事、入浴、排せつなど日常生活上の介護
- 洗濯、掃除などの家事
- バイタルチェックなど日常の健康管理
- 医療
国土交通省および厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」
3.グループホーム(認知症対応型生活介護)とは?
認知症の高齢者が共同で生活する住居。
少人数(5人~9人)が介護スタッフと生活し、症状の進行を遅らせて、できる限り自立した生活が送れる施設です。
要支援2以上
- 食事、入浴、排せつなど日常生活上の介護
- リハビリテーションなどの機能訓練
4.有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)とは?
民間事業者が運営主体。
「安否確認」「生活相談」や「食事」「入浴」の介護などのサービスで、外部の介護サービスなどと契約が必要になる有料老人ホームもあります。
社会通念上の「老人」
- 安否確認
- 生活相談
- 食事、入浴、排せつなど日常生活上の介護
- 洗濯、掃除などの家事
結局どの認知症対応の介護施設を選べばいいの!?
介護される本人の状況に応じて異なるのはご承知のとおりです。
優先順位的には紹介した順に検討してください。下の順番です。
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- グループホーム(認知症対応型生活介護)
- 有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
認知症対応介護施設へ入居してもらう方法
認知症対応介護施設へ入居してもらうには、介護される本人の気持ちも重要です。拒否される方も多いでしょう。
ではどのようにして介護施設へ入居してもらうのでしょうか。
次の流れで対応していきましょう。
- 徐々に「介護される」という感覚を慣らす
- 家族以外の協力を貰って「施設入居を推薦」してもらう
- 番外編:入院の流れで入居する
徐々に「介護される」という感覚を慣らす
徐々に「介護される」ことに慣れてもらうには
最終的に入居してもらいたい施設の通所介護(デイサービス)や短期入所生活介護(ショートステイ)を利用する
のが良いです。
「仕事の都合」や「ちょっとこのままだと仕事クビになっちゃう」ので一緒にいれない。心配だからプロが見てくれる日中は施設「〇〇」というところで、デイサービスに行って欲しい。
「体調悪い」ので、感染させちゃうの心配だから、治るまでショートステイで退避して欲しい。
家族以外の協力を貰って「施設入居を推薦」してもらう
家族以外に協力してもらえる人に「施設入居を推薦」してもらう方法もあります。
体裁を一切気にせず申し上げますと「外面良い人には効果的抜群」です。
例えば、入居したい施設のケアマネージャーやかかりつけ医に、「仕事に行っている間、心配」「もう限界」など伝えて、施設への入居を進めてもらうのです。
介護施設で家族に気兼ねなく悠々自適に暮らしたくはないですか?
実は、そろそろお世話になろうかと…。
第三者に言ってもらうと、すんなり受け入れる高齢者の方は多いです。家族からだとわがまま通じる相手ですから、強い口調で断られたり、物にあたったりしてしまうケースがあります。
番外編:入院の流れで入居する
私の祖父のケースですので参考にしてください。
状態が悪化するきっかけが何かしらの病気で入院し、「歩くのツライ」など弱音が出ているなら、本人は「このまま自宅で生活を続けることができるのか」を心配している可能性があります。
入退院を繰り返して状態であれば、ある意味介護されることへの抵抗感が無くなっている可能性もあります。
これで既に「徐々に慣らす」はクリアしています。
入院している病院から、介護施設へ入居してもらうことも可能です。
病院のケアマネージャーの協力を貰って施設入居を進めてもらうのコンボで、介護認定も含めて一気に進められます。
認知症対応の介護施設への入居で相談すべき場所は!?
外部の協力貰いながら、認知症対応の介護施設へ入居してもらうにはどこへ相談したらよいのでしょうか?
別記事「認知症かも?疑ったら相談する場所はどこ!?」にも記載していますが、
- かかりつけ医
- 認知症に対応した「地域包括支援センター」
のいずれかへ電話相談してみましょう。
エーザイが提供する「地域支援MAP」で認知症に関する相談ができる
・医療機関
・地域包括支援センター
を検索できます。
認知症対応の介護施設へ入居 まとめ
次の人は今すぐ認知症対応の介護施設へ入居に向けて動いてください。
- 検索して本記事にたどり着いた
- もう限界(検索で本記事に来た人漏れなく全員)
- 日中仕事で介護・介助できない
ひとまず
- かかりつけ医
- 認知症に対応した「地域包括支援センター」
へ相談してください。
家庭のお財布事情に応じて、
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- グループホーム(認知症対応型生活介護)
- 有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
を検討してください。
長期的に考えれば、最終的に「終の棲家」である特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)への入居を目的とし、空きが無い場合は「介護老人保健施設」にも認知症対応しています。
認知症の場合、環境が変わると症状が進行してしまう可能性もありますので、さらに進行する前に、一日でも早く「かかりつけ医」か「地域包括支援センター」へ相談してください。
あなたが一日でも早く、安定した日常を送れるようになることを祈って。