特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設などへの入所を考えている方や、今後、親御さんの終活で施設への入所を希望する方はぜひこの記事をご覧ください。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設へ入所したいと希望して介護施設へ連絡すると必ず「面接」のステップを踏みます。
面接の際、どの介護施設へ行っても必ず聞かれることがあります。
ここでは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設で
についてお伝えしていきます。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設への入所申請や入所手続きを効率化するためにまとめる7つの情報
特別養護老人ホームや介護老人保健施設で必ず聞かれること
特別養護老人ホームや介護老人保健施設へ入所の申し込みや入所決定後の手続きを効率的にすすめるに、次の7つの情報をまとめておくことをおすすめします。
- 既往歴
- 入所申込の経緯
- 薬
- 現状
- 生活歴(生まれ、育ち、仕事、人柄、趣味・嗜好、日常生活サイクル)
- 家族
- かかりつけ医
特に、特別養護老人ホームへの入所は難しく、いくつもの施設へ入所の申し込みを行うことになります。
どの施設でも同じ内容を話すのは、正直、途中で心が折れてきます。
すると、肝心な内容を伝え忘れて、後になって
「実は…」
なんて伝えると
「え、その薬は当特別養護老人ホームでは処方できません」
てことになりかねません。
そういったことを避けるため、7つの内容をまとめておきましょう。
それではまずサンプルを見ていきましょう。
まとめかたサンプル
実際に私が作成したものがこれです。メモ帳やエクセルにコピペすれば流用できると思います。
1.既往歴 | |||
---|---|---|---|
H17(2005) 2月(72歳) | 狭心症/心臓バイパス手術 | ( 2/17 – 3/28:●●医科大学病院入院) | |
H19(2007) 8月(75歳) | 狭心症/カテーテル手術 | ( 8/ 3 – 8/ 9:●●医科大学病院入院) | |
H24(2012) 11月(80歳) | 肺炎 | (11/25 -12/29:●●医科大学病院入院) | 同年12月末日の退院から 行動範囲が大きく狭まる。 時より歩行補助具 (杖)を必要。 |
H26(2014) 9月(82歳) | 胆のう摘出手術 | ( 8/26 -10/18:▲▲病院) | 退院後、行動範囲は 自宅内になる。 |
同月 | 介護保険申請で要支援2 | (H27.9/30期限) |
2.入所申込の経緯 | |
---|---|
H28(2016) 8月(84歳) | 熱中症( 8/ 8 - :▲▲病院入院中) |
8/ 8 | 緊急搬送 |
8/19 | 老人介護医療施設で検討開始 |
8/24 | 介護調査(要介護4-5の見込み)→ 要介護5 |
同日 | 継続医療不要につき、紹介状作成不可と 担当医から話があり施設(特養/老健) を探しています。 |
3.薬 | ||
---|---|---|
バイアスピリン | 1錠 | 朝のみ |
アダラートCR | 1錠 | 朝のみ |
アルダクトンA | 1錠 | 朝のみ |
ネキシウムカプセル | 1錠 | 夕のみ |
エナラプリルマレイン | 各1錠 | 朝・夕 |
シグマート | 各1錠 | 朝・昼・夕 |
プルゲニド | 2錠 | 就寝前 |
4.現状 | |
---|---|
食事 | ミキサー食 |
排泄 | おむつ |
リハビリ | 自分で起き上がり→車いす乗車 を目標にリハビリ中 |
介助 | 食事全介助・排泄全介助おむつ |
その他 | やけど?利手(右腕)部分痛みあり |
5.生活歴 | |
---|---|
・生まれ | ●年●月●日生まれ |
・育ち | ●●町 |
・仕事 | 公務員(●●役所職員) |
・子供 | 女●人 |
・人柄 | 細かい。頑固。 |
・趣味/嗜好 | 野球観戦。お酒。タバコは吸わない。食事は濃い味が好き。 |
・日常サイクル | 5:00起床、7:00朝食、12:00昼食、13:00~15:00昼寝、17:00夕食、20:00就寝 |
6.家族 | |
---|---|
配偶者 | 死別 |
子供 | 長女(同居)、二女(別所帯) |
申込者(KP:キーパーソン) | 孫(長女の子) |
7.かかりつけ医 | |
---|---|
平時 | ●●クリニック ●●先生 |
現在 | ▲▲病院 ●●先生 |
こんな感じです。
それではひとつひとつの項目を見ていきましょう。
1.既往歴
健康に過ごしてきた方には耳馴染みのない言葉かもしれませんが、簡単に言うと病気の履歴書です。具体的には下記の内容です。
- 現在かかっている病気
- これまでかかってきた病気
- これまで行ってきた手術
(●年に心臓バイパス手術、●年に胆嚢摘出術、●年に心臓カテーテル、●年に胆石摘出等々)
2.入所申込の経緯
入所を申込するに至った経緯をまとめます。
背景となる家計(費用的な理由)や、家庭の事情(日中は同居家族が仕事で不在)などをまとめておきましょう。
仕事が理由でも大丈夫です。
介護離職をしないための介護施設や介護サービスの利用です。
もし家族が入所申込したのであれば
「入所者本人だけじゃなく自分も生きてるんです。生きていかなければならないのです。」
この点をお忘れなく。施設の方々も重々承知してます。
- 費用的な理由
- 家庭の事情
- 仕事の事情
をまとめておきましょう。
3.薬
既往歴の薬版をリストアップしておきましょう。
病院へ入院している状態であれば
「介護施設への申込を行っており、処方されている薬の確認が必要なため、教えてください」
と看護師へ伝えれば、現在処方されている薬の一覧かコピーを貰えます。
- 現在服用している薬
- 完治しているが、再発の恐れがある病気で服用していた薬
を、かかりつけ医や、入院中の医師に確認しましょう。
4.現状
現在の生活力を判断する材料をまとめます。
絶対に記載しておくべきは「食事」「排泄」「行動」です。
食事は、食べさせてあげないといけない「全介助」、誤嚥の恐れがあり一部介助が必要な「半介助」に加え、食事の柔らかさを示す「きざみ食」「ミキサー食」「ソフト食」「嚥下食」「流動食」があります。
排泄についても、おむつで事前事後の処理ができない場合「全介助」、便器に座らせるところまで介助すでば用を足せる「半介助」があります。
行動については、「ベッドから起き上がれない」「起き上がってベッドに腰かけられる」「腰かけたベッドから車いすに乗れる」「車いすを自分で動かせる」「立ち上がりができる」などの行動可能レベルを明確にしておきましょう。
- 食事は「全介助か半介助」か、「きざみ食/ミキサー食/流動食」か
- 排泄は「全介助か半介助」か
- 行動はどこまで可能か
をまとめましょう。
5.生活歴
これは、生まれや育ち、仕事、人柄や趣味嗜好、日常生活サイクルをまとめていきます。
どういった介護が合っているのか、介護計画を立てるうえで必要な情報になります。
何が好きで、何が嫌いか、現在・過去でどういった生活をしてきたかによって、介護計画の立案にも勘案されます。
- 生まれはいつ、どこか?
- どこで育ったのか?(出身など)
- どういった仕事をしてきたか?
- 子供は何人いるか?兄弟・姉妹は?
- どういった人柄か?
- どういった趣味を持っているか、酒・煙草は嗜むか?
- 日常生活サイクルは?
- 食事の味の好みは?
を箇条書き程度でまとめましょう。
なお、人柄については、葬儀時、お寺で住職から法名(浄土真宗なので戒名)を頂戴する際にも参考になります。
6.家族
配偶者の有無や、子供の有無、キーパーソン(何かあった場合の家族側の責任者)をまとめておきましょう。
キーパーソンになった場合、入所初月は少なくとも週一で電話連絡がある覚悟をしてください。
キーパーソンは何かあればすぐ電話が来るようになりますので、なるべくフットワークの軽く、かつ、家族側総意の回答ができる人にしましょう。
入所者本人は慣れない環境で適用するのに大変で訪問するとあれこれ文句が出てきますし、介護者も手探りなので色々ヒアリングがあります。
- 入所者本人から見た「配偶者」「子」「孫」「兄弟」くらいは把握しておきましょう。
- キーパーソン(何かあった場合に判断できる責任者)を家族で話し合っておきましょう。
7.かかりつけ医
平時と入院時にかかりつけ医がある場合は必ずかかりつけ医は把握しておきましょう。
入院している場合、病院のケアマネージャがこの役割を果たしますが、介護施設と病院で連携を取って、病状の引継ぎや移設などを行っていくので必要になります。
- かかりつけ医(病院のケアマネージャー)を把握しておきましょう。
まとめ
特別養護老人ホームや介護老人保健施設へ入所申請や手続きを行う場合は次の7情報をまとめておきましょう!
- 既往歴
- 入所申込の経緯
- 薬
- 現状
- 生活歴(生まれ、育ち、仕事、人柄、趣味・嗜好、日常生活サイクル)
- 家族
- かかりつけ医
入所するために相談する際、これを提出するだけで、すぐに状況を把握してもらえます。
コメント