介護費用って、毎月どのくらいの費用が、どのくらいの期間で必要になるのかわかりませんよね。
生命保険文化センターが、3年ごとに調査している「生命保険に関する全国実態調査」によると、
- 介護費用は毎月平均8.3万円
- 介護期間は平均5年
とのこと。
しかし、あくまで”平均”であり、私が体験した祖父の介護とは大きく異なります。
介護費用の平均って毎月どのくらい?
介護が必要な期間ってどのくらい?
こんなギモンにお答えします。
本記事をご覧の方は
という方が多いのではないでしょうか。
本記事では、介護の費用と期間について、私の実体験を交えて解説します。
ぬくぬくは、自身が介護を受ける立場になるころには、介護費用は毎月20万円、介護期間は10年間を想定していますよー
3分くらいで、介護費用と介護期間の平均と、備えるべき介護費用がわかりますので、ご一読いただけますと幸いです。
結論!介護費用は平均で「毎月8.3万円」「年間99.6万円」かかる!
要介護度 | 介護費用(月額) | 介護費用(年額) |
---|---|---|
要支援1 | 40,700円 | 488,400円 |
要支援2 | 72,300円 | 867,600円 |
要介護1 | 52,900円 | 634,800円 |
要介護2 | 66,000円 | 792,000円 |
要介護3 | 92,200円 | 1,106,400円 |
要介護4 | 97,500円 | 1,170,000円 |
要介護5 | 105,600円 | 1,267,200円 |
合計 | 82,700円 | 992,400円 |
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護費用の平均は「82,700円/月」になっています。
「要支援」では、比較的自立して生活できるため、5万円前後で済みます。
「要介護」で、誰かの手を借りないと生活できない要介護5になると、10万円を超えます。
このとおり、「要介護度」によって、介護費用が大きく異なるのが分かると思います。
しかし、あくまで”平均”であるため、さらに細分化して「要介護度別でどれだけの介護費用がかかるか」を見ていきましょう。
要介護度別介護費用(月額)まとめ
要介護度別に、月額費用がどのくらいかの割合をひとつにまとめたグラフが上の「要介護度別 介護費用(月額)」です。
- 要支援1~要介護2の、介護度が比較的低ければ、必要な月額介護費用も10万円以内に収まる
- 要介護3以上で、特別養護老人ホームの入所対象になると、必要な月額介護費用が10万円を超えてくる
のが分かると思います。
では、さらに細分化して、要介護度ごとに介護費用がどのくらいかかっているのか見てみましょう。
要介護度「要支援1」の介護費用
要支援1の場合、5万円未満の割合が50%で、最も多いです。
要介護度「要支援2」の介護費用
要支援2の場合、5万円未満の割合が38.8%、5万円以上の割合が35.5%と二極化します。
デイサービスなどの施設サービス、訪問介護・看護サービスを利用するようになると5万円以上になり、杖などの補助具をレンタルした生活なら5万円以下という配分と推察できます。
要介護度「要介護1」の介護費用
要介護1の場合、5万円未満の割合が52.8%で、最も多いです。
要介護度「要介護2」の介護費用
要介護2の場合、1~5万円の割合が49.5%で、最も多いです。
要介護度「要介護3」の介護費用
要介護3の場合、5万円以上の割合が57%で、過半数を超え、最も多いです。
要介護3なら、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設サービスの利用が検討に入ってくるころです。
要介護度「要介護4」の介護費用
要介護4の場合、7.5万円以上の割合が50.9%で、過半数を超え、最も多いです。
要介護度「要介護5」の介護費用
要介護5の場合、10万円以上の割合が48.9%で、ほぼ半数となり、最も多いです。
介護費用(一時費用)の平均は「7.5万円」
要介護度 | 介護費用(一時費用) |
---|---|
要支援1 | 100,500円 |
要支援2 | 37,400円 |
要介護1 | 39,300円 |
要介護2 | 60,600円 |
要介護3 | 97,500円 |
要介護4 | 47,600円 |
要介護5 | 107,100円 |
合計 | 74,400円 |
介護費用のうち、一時的に必要となる費用は上表のとおり。
ほぼ寝たきりとなる要介護5で、在宅介護になると、20万円近くかかる介護ベッドの導入が必須になる、など、負担が大きくなっているようです。
介護期間の平均は「5年」
介護期間の平均は、一般的に「5年」と言われています。
介護期間の平均が一般的に5年であることを裏付けるかのように、生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」でも、下表のとおり、介護を始めてからの期間は4~10年が31.5%で、最多となっています。
介護期間 | 割合(サンプル数609) |
---|---|
6ヵ月未満 | 3.9% |
6ヵ月~1年未満 | 6.1% |
1~2年未満 | 10.5% |
2~3年未満 | 12.3% |
3~4年未満 | 15.1% |
4~10年未満 | 31.5% |
10年以上 | 17.6% |
不明 | 3% |
平均値 | 61.1か月(≒5年) |
介護費用は「20万円/月」・介護期間は「10年」で考えよう
私は、
- 介護費用:20万円/月
- 介護期間:10年
で考えています。理由は次の2点です。
理由①:既に一時的な自己負担費用は20万円を超える
介護費用を毎月20万円で備える理由は、現役並み所得者で要介護5だと、20万円の手出しが毎月発生するからです。
実際に私の祖父が、特別養護老人ホームに入所したときの料金表を見ると、現役並み所得者(年収270万円程度)かつ要介護4で、毎月16万円支払っていました。
『高額介護サービス費』という毎月の介護費用負担の上限を超えた分を、還付してくれる制度を利用したとしても、毎月の支払額が減るわけじゃありません。
また、我々が老後を迎える頃には、さらに毎月の手出しの費用は増えることでしょう。
したがって、介護費用は、毎月20万円で備えておくことを提案します。
参考リンク『高額介護サービス費』をわかりやすく言うと高額療養費制度の介護版!
理由②:要介護度が上がれば、在宅介護が難しくなり費用負担も増える
介護費用を毎月20万円で備えるもうひとつの理由は、要介護度が上がれば、在宅介護から施設介護メインに変わり、費用負担が増えるからです。
上のグラフを見ると、要支援~要介護3までは、在宅介護が過半数を超えます。
しかし、要介護4以上になると、逆転して、過半数が特別養護老人ホームなどの施設介護が過半数を超えます。
「介護は突然に」というフレーズは良く聞いたことがあると思います。
私の祖父も、熱中症で倒れて入院し、あるひ突然「要介護5」となり、相当焦ったことを鮮明に覚えています。
最大の費用を想定して、介護リスクに備えておくことを提案します。
理由③:あなたに必要な介護期間は分からない
介護期間を10年で備える理由は、介護期間は4年~10年であることが多いからです。
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」の「⑧過去3年間の介護経験」ー「2)介護期間」によると、介護が必要になる年齢も、期間も、正直バラバラです。
したがって、上記介護期間の平均で、かつ最大年数である「10年」を、暫定として設定しておくことを提案します。
【さいごに】介護費用は「2,400万円」必要になるかもしれない
介護費用をいくらあれば良いか、イメージがつきましたでしょうか?
本記事では、生命保険文化センター「2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」(2021年12月発行)」の「5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え」にある
- 1)過去3年間の介護経験の有無・介護対象者
- 2)介護期間
- 3)介護を行った場所
- 4)公的介護保険の利用経験と要介護度
- 5)介護費用(一時的な費用の合計)
- 6)介護費用(月額)
に基づきグラフなどを作成しています。
実際に家族を介護した方たちのヒアリング結果なので、より現実味のある統計になっています。
私としては
毎月の介護施設費用20万円 × 介護期間10年間 = 2,400万円
を想定しています。
「こんなにかかるの!?」と思うかもしれませんが、リスクとしては、可能性があります。
あなたはどれだけ介護リスクに備えられていますか?今から備えてみませんか?
本記事を読んで、まずは介護リスクへの危機感を持っていただき、できることから始めていただけると幸いです。
関連記事老健(介護老人保健施設)の「入所条件」と「料金」を実体験で解説!
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介護に関してもっと詳しく知りたい方は「30代の必修科目!介護保険や介護施設入所、介護費用の情報まとめ」でまとめていますので、是非ご覧ください。
以上、ご参考になれば幸いです。