日本公証人連合会(日公連)によると
平成30公正証書遺言の作成件数は110,471件
と11万件を超えました。
平成22年以降の遺言書作成件数をグラフで見ていくと
昨今の終活ブームを裏付ける結果となっています。
ここでは遺言書を作成するために知っておくべきこととして、
についてお伝えしていきます。
遺言書の種類
遺言書には2つの方式があります。
- 1.普通方式
- 2.特別方式
1.普通方式で作成する遺言書の中に我々が良く聞く
「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
2.特別方式で作成するのは生命の危機的状況で作成したもので、誤解を恐れず言えば、ダイイングメッセージ的なものを遺言書とするもので4種類あります。
①自筆証書遺言・・・財産目録以外をすべて自筆する遺言書
②公正証書遺言・・・公証役場で公証人に遺言内容を伝えて遺言書を作成してもらう方法
③秘密証書遺言・・・自分で作成する遺言書 公証人が認めるのは遺言書の存在だけ/中身に関しては保証されない
①一般危急時遺言・・・死亡の危急に迫った者の遺言
②伝染病隔離者遺言・・・伝染病隔離者の遺言
③在船者遺言・・・船舶中に在る者の遺言
④船舶遭難者遺言・・・船舶遭難者の遺言
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の特徴
普通方式の遺言書の自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の特徴を表にまとめています。
それぞれどういった場合におススメか?を「推奨」行に記載しています。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
推奨 | ・費用かけたくない ・この記事に辿り着いた人 ・第三者に遺言内容を 知られたくない ・書き直し予定あり | ・費用は惜しまない ・障害等で自筆できない ・第三者に遺言内容を 知られても良い ・書き直し頻度が少ない | ・費用は惜しまない ・障害等で自筆できない ・第三者に遺言内容を 知られたくない ・書き直し頻度が少ない | |
作成者 | 本人 | 公証人と本人で作成 | 本人 | |
作成場所 | 自由 | 公証役場 | 作成は自由。申請は公証役場。 | |
保管者 | 本人または 法務局(2020.7/1から) | 法務局 | 本人または法務局 | 2020.7/13より 法務局で保管が可能 |
遺言内容の秘匿性 | 第三者にはバレない | 公証人/証人に公開 | 第三者にはバレない | |
本文 | 自筆のみ | 公証人 | 自筆またはPCで作成 | いずれも作成日、 署名は自筆し捺印。 |
財産目録 | ・自筆 ・PC ・登記事項証明書 ・通帳コピーなど で作成 | ・自筆 ・PC ・登記事項証明書 ・通帳コピーなど で作成 | ・自筆 ・PC ・登記事項証明書 ・通帳コピーなど で作成 | 全てのページ、 書類に署名・捺印 |
公証人 | 不要 | 公証人1名 | 公証人1名 | |
証人 | 不要 | 証人2名 | 証人2名 | |
費用 | 無し | 【財産1億以下】 3~8万円 (出張無し) 【財産1億以下】 8~15万円 (出張あり) | 【財産1億以下】 3~8万円 (出張無し) 【財産1億以下】 8~15万円 (出張あり) | 公正証書遺言/秘密証書遺言 の場合、費用は遺言 作成当日に現金支払い |
不備があった場合 | 無効 | 無効になることがない | 無効 | |
遺言変更 (書き直し) | 簡単に可能 | 可能(要申請) | 可能(要申請) | |
相続時 家庭裁判所 検認 | 必要 | 不要 | 必要 | |
遺言変更 | 書き直し自由 (取消線 +修正+押印 +修正場所/文字数 を明記) | 再手続き (前回作成分 撤回の旨を明記) | 再手続き | |
公証人出張作成 | 不可 | 可能 | 不可 | 公証人が自宅や 病院へ来て作成 |
自筆不可障害等 | 利用不可 | 公証人へ 口述伝達で作成 | 利用不可 | |
聴力障害 | 自筆 | 公証人へ 通訳者経由や 筆談伝達で作成 | 公証人へ 通訳者経由や 筆談伝達で申請 |
遺言書の書き方とルール
普通方式(通常時に作成される遺言書)の
「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」について
それぞれお伝えしていきます。
1.自筆証書遺言
自筆証書遺言書とは「財産目録以外をすべて自筆で作成する遺言書」です。
自筆証書遺言書作成のルールは次のとおり。
- ①代筆は無効
- ②遺言書の内容と一緒に作成した日付と署名、押印がなければ法的効力は無効
- ③遺言書の保管を自分でする
- ④遺言書の執行は、未開封のまま家庭裁判所へ持ち込み検認を受けます
①代筆無効、②日付と署名、押印の法的根拠は次のとおり。
民法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4091
第七章 遺言
第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式
財産目録以外をすべて自筆する遺言書
民法(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2019.1/13施行の法改正:財産目録はパソコン等で作成したものも有効に!
2019.1/13施行の法改正で、
財産目録部分はパソコンで作成したものも有効となりました。
法的根拠は次のとおり。
民法(自筆証書遺言)
第九百六十八条 2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。民法(相続財産に属しない権利の遺贈)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4114
第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2020.7/10施行:自筆証書遺言書を遺言書保管所(法務局)で保管可能に!
自筆証書遺言書を法務局へ保管申請(有料)することで、
遺言書の保管を自分で行う必要が無くなります。
詳細は自筆証書遺言書保管制度とは?法務局で遺言書が保管できる!【2020.7/10から】をご覧ください。
概要は次のとおり。
<保管期間>
遺言者の生死が明らかでない場合:遺言者の出生の日から起算して120年を経過した日となります
(根拠法:法務局における遺言書の保管等に関する政令 第5条第1項)
遺言書については50年,遺言書に係る情報については150年となります
(根拠法:法務局における遺言書の保管等に関する政令 第5条第2項)
平成三十年法律第七十三号
法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管所)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=430AC0000000073_20200710_000000000000000&openerCode=1
第二条 遺言書の保管に関する事務は、法務大臣の指定する法務局が、遺言書保管所としてつかさどる。
2.公正証書遺言
公証役場で公証人に遺言内容を伝えて作成した遺言書のことです。
公証人とは?
判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな者の中から法務大臣が任免したもの
(根拠法:公証人法 明治四十一年法律第五十三号)
公正証書遺言書作成のルールは次のとおり。
- ①公証人が作成
- ②公証人とは別に、証人が2名必要
- ③遺言書の執行は、家庭裁判所の検認不要
①公証人が作成の法的根拠は次のとおり。
民法(公正証書遺言)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4119
第九百六十九条
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
②証人2名の法的根拠は次のとおり。
民法(公正証書遺言)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4119
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
遺言書作成の費用の法的根拠は次のとおり。
公証人手数料令
(平成五年政令第二百二十四号)
施行日: 平成二十八年四月一日
第9条別表
手数料は一覧(日本公証人連合会)があります。
手数料一覧
料金項目 | 金額 |
---|---|
遺言の目的たる財産の価額 | 財産金額によって異なる。 公証人手数料令第9条別表のとおり。 |
財産価額1億以下の遺言加算 | ¥11,000 |
公正証書遺言の謄本の発行手数料 | 250円(1枚) |
公証人による自宅や病院などへの出張 (自身が公証役場へ行けない場合に発生) | ¥10,000~¥20,000 |
病床執務手数料 (自身が寝たきりの状態で作成する時に発生) | 手数料に50%加算 |
証人を紹介してもらった場合の日当 (自身の友人等に証人を頼めない場合) | ¥5,000~¥15,000(一人につき) |
3.秘密証書遺言
他人に内容を知られずに公証役場で「遺言書、あるよ」と証明を受けた遺言書のことです。
ただし、公証人が認めるのは遺言書の存在だけで、
記載内容が遺言書として有効かどうかの保証されていません。
秘密証書遺言書作成のルールは次のとおり。
- ①日付と署名、押印を入れる決まりも自筆証書遺言と同じ
- ②本文はパソコンやワープロで作成したものでも認められる
- ③遺言書を封筒に入れて封をしたあと、証人二人と一緒に公証役場に出向く必要がある
- ④公証役場で公証人と証人の前で封筒の中身が自分の遺言書であることを宣言→宣言したあとに、遺言者と証人が署名・捺印をして公証人が遺言書を受け取り公証役場で保管
①日付と署名、押印を入れる法的根拠は次のとおり。
民法(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。第九百七十条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4132
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
②本文作成はパソコンやワープロで作成OKの法的根拠は次のとおり。
(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4140
第九百七十一条 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。
③証人二人と一緒に公証役場で手続き
民法(秘密証書遺言)
第九百七十条三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4132
④公証人署名と保管
民法(秘密証書遺言)
第九百七十条四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4143
⑤口がきけない者の秘密証書作成方法
民法(秘密証書遺言の方式の特則)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4143
第九百七十二条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。
4.特別方式
事故や災害などが原因で命の危機が迫っている最中に作成した遺言書で、
4種類あります。
ただし、「特別方式で作成した遺言書」を作成してから
遺言者が命の危機を無事に回避できて6か月後も生存している場合、無効です。
「一般危急時遺言」
民法 第二款 特別の方式
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4161
(死亡の危急に迫った者の遺言)
第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。
3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。
4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。
「伝染病隔離者遺言」
民法(伝染病隔離者の遺言)
第九百七十七条 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。(遺言関係者の署名及び押印)
第九百八十条 第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。(署名又は押印が不能の場合)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4168
第九百八十一条 第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。
「在船者遺言」
民法(在船者の遺言)
第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。(遺言関係者の署名及び押印)
第九百八十条 第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。(署名又は押印が不能の場合)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4171
第九百八十一条 第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。
「船舶遭難者遺言」
(船舶遭難者の遺言)
第九百七十九条 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
3 前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
4 第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。(署名又は押印が不能の場合)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4174
第九百八十一条 第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。
特別方式で作成した遺言書の有効期限
(特別の方式による遺言の効力)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4189
第九百八十三条 第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。
遺言書作成にあたってのよくある疑問
遺言書作成にあたっては、法律に基づいた細かいルールが制定されています。
遺言書作成のよくある疑問
疑問 | 回答 |
---|---|
遺言の承認 または 立ち合い人の条件 | 遺言の証人又は立会人となることができない ・未成年(18歳未満) ・相続人・受遺者、相続人の配偶者・受遺者の配偶者、直系血族 ・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人 |
縦書き・横書き | 縦書き・横書きどちらでもOK |
使用する紙 | 紙質や紙厚さ、サイズの規定も無し |
書いた年月日 | ・自筆で記入すること ・作成した年月日を記入すること(吉日NG) |
署名 | ・本名で署名 ・夫婦など連名は無効 ・確実に特定できればHNやPNでも可 |
押印 | ・認印でもOK ・拇印は本人特定できない場合あり ・実印が安牌 ・財産目録の全てのページに自署・押印が必要 |
代筆 | 障害があるなどの理由ですら代筆不可 ※公正証書遺言を作成する(内容を口頭伝達のため) ※自力で公証役場に行けない場合、自宅や病室へ来てくれる。 |
不動産 | 土地の筆(所在地)と家屋の建物番号を記載。 ”自宅”という書き方はNG |
有効期限 | 無し |
遺言書の変更 (公正証書遺言) | 公正証書遺言書の場合、新規作成遺言書に 「前回作成した内容を撤回する」旨を明記する。 これが無いと昔作成したものが継続になる |
遺言の承認または立ち合い人の条件
(証人及び立会人の欠格事由)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4152
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
遺言書を夫婦などで連名の作成は無効
民法(共同遺言の禁止)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4158
第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
障害者の遺言書は代筆不可(公正証書遺言が作成可能)
民法(公正証書遺言の方式の特則)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4127
第九百六十九条の二 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
遺言書作成の注意点(無効になる例)
遺言書作成で注意しなければならない点があります。
ルールが厳しいので、無効になった例が多い内容を挙げていきます。
遺族が実現不可能なもの
例)自宅はそのまま残す
のようなものはエンディングノートへ。
遺言能力の有無
認知症の場合、遺言無効になります。
連名はダメなので予備的遺言/夫婦相互遺言の活用を
予備的遺言の活用
推定相続人が亡くなった場合に備えて、次の相続人を指定しておくこと。
夫婦相互遺言
妻が亡くなった場合、妻名義のものの処理を指定しておくこと。
※ただし、同じ遺言書に二人分は「連名=共同遺言」になるので無効になるので注意!
【遺言内容修正方法例】
修正前の例
1.東京都千代田区九段下1丁目
修正後の例
霞が関 [押印]
\/
1.東京都千代田区九段下1丁目
「上記1中、3字削除3字追加 署名」を追記
・修正する部分に取消線を引いて、訂正印を押印のうえ、修正後の内容を追記する。
・遺言書下部に、修正箇所を明記して署名する。
遺言書とエンディングノートの違い
遺言書とエンディングノートの違いは「遺言書法的効力の有無」です。
遺言書:あり
エンディングノート:なし
実際に遺言書を作成するかたは【終活】遺言書作成の7ステップ【自筆証書遺言書保管制度対応】で詳しく解説しています。
エンディングノートについては30代の『エンディングノート』には何を書く?書き方を解説!の記事をご覧ください。