遺言書の書き方作を7ステップでかんたんに紹介します。
また、2020.7/10から、自筆証書遺言保管制度が始まります。
自筆証書遺言書を法務局(遺言書保管所)が保管・管理してくれる制度で、
自宅などで自分が管理する自筆証書遺言書とルールが少し異なります。
その点も勘案して遺言書の例文や注意点もお伝えしていきます。
遺言書の書き方7ステップ
遺言書の書き方7ステップは次のとおり。
- step1目的を明確にする
- 意思表示
- トラブル抑制
- 相続手続きの負担軽減
- step2作成方法を決める
- ①自筆証書遺言:財産目録を除いて手書き
- ②公正証書遺言:公証役場で作成
- ③秘密証書遺言:内容は公開せず、遺言書の存在を公証役場にて保証
- step3遺言の内容を決める
- どの財産を
- どの相続人へ
- どの割合で
を決める
- step4【公正証書・秘密証書遺言の場合】
公証役場への申請に必要な書類準備区分 必要な書類 遺言者本人 ・印鑑証明書(発行3か月以内)
・戸籍謄本(発行3か月以内)相続人 本人と相続人の関係が分かる戸籍謄本
(発行3か月以内)相続人以外(孫など)
に遺贈する場合受贈者の住民票 不動産 ・登記事項証明書
・固定資産税評価証明書
または
納税通知書の課税明細書預貯金 銀行名や銀行口座番号がわかる資料 有価証券 証券会社名や口座番号、証券番号が
わかる資料証人 ・証人2名の名前、住所、
生年月日、職業を書いたメモ
・証人は申請日当日、認印と
運転免許証などの本人確認資料を
持参 - step5【自筆証書遺言の場合】遺言書を作成する
遺言書の文面例は下部に詳しく記載します。
【自筆証書遺言】の場合はここで完了です。
- step6【公正証書遺言の場合】公証役場で事前打ち合わせ
次の内容を公証役場で事前に打ち合わせします。
・遺言者について
・相続人について
・遺言の内容
・証人の準備について
・遺言作成の日時、場所 - step7【公正証書遺言の場合】遺言作成
実際に公正証書遺言を作成します。
- ①公証人が遺言者、証人の本人確認をおこなう
- ②公証人が遺言書の原案を読み上げる
- ③遺言者、証人が遺言内容を確認する
- ④遺言者、証人、公証人が遺言書原本に署名押印する
- ⑤遺言書の正本、謄本の交付を受ける
- ⑥公証人手数料を支払う
※公証人は遺言内容の提案・アドバイスはしない
遺言書の文例
一番悩むのは遺言書の内容ですよね。
参考までに、文例を記載します。
なお、自筆証書遺言の場合、全てボールペンなど消えないペンで自筆します。
遺言書
遺言者[氏名]は、次のとおり遺言する。
一 遺言者は次の不動産を[続柄][氏名]に相続させる。
所在 [登記事項証明書の土地の所在情報]
地目 宅地
地積 123.12㎡
所在 [登記事項証明書の家屋の所在情報]
家屋番号 [登記事項証明書の家屋の家屋番号]
構造 木造瓦葺2階建
種類 居宅
床面積 1階 111.11㎡ 2階 90.12㎡
二 遺言者は次の預金を[続柄][氏名]に相続させる。
〇〇銀行〇〇支店 定期預金 口座番号1234567
〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号1234567
三 遺言者は次の有価証券の全てを[続柄][氏名]に相続させる。
〇〇証券〇〇支店 口座番号1234567
〇〇証券〇〇支店 口座番号1234567
四 本遺言書に記載のない遺言書の有する一切の財産を[続柄][氏名]に相続させる。
五 遺言者は遺言執行者として次の者を指定する。
住所 〇〇県〇〇市〇番地〇
氏名 [氏名]
[作成年月日]
住所 [作成者住所](右寄せ)
遺言者 [作成者氏名][実印](右寄せ)
自筆証書遺言保証制度を利用して遺言書を保管する場合
自筆証書遺言保証制度を利用して遺言書を保管する場合、法務局(遺言書保管所)で管理する際、左側にパンチ穴を開けて管理する都合上、遺言書の余白に規程があります。
余白は、左余白が20mm以上、上下と右余白が5mm以上。

財産目録の準備
財産目録は手書きで作成する必要はありません。
固定資産評価証明書や通帳のコピーに、署名捺印すれば財産目録にできます。
自筆証書遺言保証制度を利用して遺言書を保管する場合
遺言書同様、余白は、左余白が20mm以上、上下と右余白が5mm以上。
財産目録(不動産)例
と複数ページの署名捺印のルール.jpg)
財産目録(預金)例
と複数ページの署名捺印のルール.jpg)
財産目録の預金口座がネット銀行の場合は?
ネット銀行だと通帳がないのが不安?セキュリティが不安?大丈夫。心置きなく口座開設しなさい。の記事を参考に、銀行名や口座番号、口座名義人が分かる画面を印刷すればOKです。
遺言書の後加工
自宅など自分で保管する場合、相続が発生した場合には家庭裁判所の検認が必要になります。
検認を受けるにあたって、遺言書を入れた封筒の後加工が規程されています。
しかし、自筆証書遺言書は、遺言書の封筒への封入封緘は不要なので、多少楽です。
比較すると次のとおり。
自筆証書遺言保管制度利用
複数ページにまたがる場合
複数枚の場合、全てのページの下部に
署名・捺印を行う。
封筒への封入
不要
自宅保管
複数ページにまたがる場合
①複数枚の場合、全てのページの下部に
署名・捺印を行う。
②複数枚の場合、ステープル(ホチキス)左2パンチして、割印する。
封筒への封入
封筒へ封入する
遺言書を入れた封筒の封緘
封緘する
遺言書を入れた封筒の表書きと裏書き
①封筒の表に「遺言書在中」
②封筒の裏に「封印」「作成年月日」「作成者名」「実印」
遺言書作成の7ステップ【自筆証書遺言書保管制度対応】 まとめ
遺言書作成の7ステップは次のとおり。
自筆証書遺言書保管制度の場合、余白に注意!
以上です。
遺言書作成の前に知っておいた方が良いことは【終活】遺言書を作成するために知っておくべきことにまとめていますのでご覧ください。
自筆証書遺言書保管制度の詳細は【自筆証書遺言書保管制度】遺言書を法務局で保管してもらう方法(2020.7/10から)をご覧いただけますと幸いです。
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