2025年3月24日から運用が開始された「マイナ免許証」。
しかし、現時点では、免許証情報をマイナンバーカードに記録し、マイナンバーカードを追加したスマートフォンを保有して運転してしまたら「免許不携帯」になってしまいます。

免許証を持たずに運転できる、スマホ免許証(モバイル運転免許証)はいつから?
こんな疑問にお答えします。
本記事では、現在検討中の「スマホ免許証(モバイル運転免許証)」について解説します。

ぬくぬくも、スマートフォンだけで運転できるような未来を待ち望んでいます!
5分くらいで、スマホ免許証(モバイル運転免許証)の検討状況についてわかるので、ご一読いただけますと幸いです。
そもそも、現在の「マイナ免許証」は、スマホ免許証ではない!

2025年3月から「マイナンバーカードと運転免許証の一体化(マイナ免許証)」が全国で始まりました。
これにより、マイナンバーカードに運転免許情報を搭載して利用できます。
しかし、スマートフォンだけで免許証を提示できる「スマホ免許証(モバイル運転免許証、mDL)」はまだ導入されていません。
したがって、「マイナ免許証」は、マイナンバーカードを持って運転しないと「免許不携帯」になります!
スマホ保険証は、2025年9月19日から、「スマホだけ(要設定)」で、マイナンバーカード不要で、医療機関・薬局を受診できるようになったので、「マイナ免許証だけで運転できると勘違い」している人も多いのではないでしょうか。
参考リンクマイナポータル「iPhoneのマイナンバーカードを追加したiPhoneを携帯すればマイナ免許証を携帯していることになりますか。」
参考リンクマイナポータル「運転免許(運転経歴情報)画面に「本画面は、マイナ免許証の携帯証明にはなりません」と表示されていますが、運転免許証として利用できないということでしょうか。」
スマホ免許証(モバイル運転免許証)はいつから?

では、スマホに登録した運転免許証で運転できるようになるのはいつからなのでしょうか?
結論から申し上げますと、スマホ免許証(モバイル運転免許証)は「鋭意検討中!」です。
検討状況は以下のとおり。
デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画」

デジタル庁の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」によれば、
モバイル運転免許証等の在り方の検討(デジタル庁が検討・開発する方針である他の資格証等も搭載可能な汎用的なシステムの活用を前提とした運用)
となっています。
デジタル庁「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に関する検討会」事務局での検討状況
令和7年(2025年)3月26 日(水)に行われたマイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に関する検討会(第6回)の事務局の発言によれば、次のとおりです。
運転免許証は3月24日からマイナンバーカードと運転免許証が一体化できるようになったが、別途、スマートフォンへの運転免許証搭載となるため、時期は未定である。警視庁と連携し、今回のmdoc発行管理システムを利用する形で運転免許証の搭載も重点計画として進めていく予定である。
デジタル庁担当大臣「平大臣」記者会見
令和7年6月6日に行われた、デジタル庁担当大臣である、平大臣の記者会見で、次のような発言がありました。
本年3月から開始した、いわゆるマイナ免許証は、希望者のマイナンバーカードのICチップの空き容量に独自アプリを搭載し、運転免許証情報を記録して、運転免許証として利用できるようにするものであります。今回iPhoneに搭載される機能の中には、この運転免許証用の独自アプリは含まれていません。ですので、現時点においてマイナ免許証のスマホ搭載は実現していません。
他方で、デジタル社会の実現に向けた重点計画というものがありまして、その重点計画においては、スマートフォンに運転免許証情報を記録するモバイル運転免許証については、極力早期の実現を目指すとされています。ですので、そのことを踏まえて引き続き、警察庁と連携し、早期実現に向けて今検討を進めているところであります。
デジタル庁と警察庁は「極力早期の実現を目指す」としていますが、具体的な開始時期は未定です。
技術検証や実証実験は始まっているため、法整備やシステム開発が整い次第、今後数年以内に導入が進むでしょう。
参考リンクデジタル庁「マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係る実証事業(技術検証・要件検討)調達仕様書」
スマホ免許証(モバイル運転免許証)の仕組み

デジタル庁「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に関する検討会(第5回)」の資料1:マイナンバーカード機能のスマホ搭載について(PDF/2,327KB)によれば、スマホ免許証は、国際標準に基づく「モバイル運転免許証(mDL)」の仕組みを利用します。
特徴は以下の通りです。
- スマートフォンに免許証データを安全に格納
- 本人確認が必要なときに、スマホから必要な情報だけを提示可能
- 暗号化技術や認証システムにより、偽造・改ざんを防止
- 一部はオフライン環境でも確認できる設計
この仕組みはすでに米国やオーストラリアなど海外で導入が進んでおり、日本でも国際規格に準拠した形で準備が進められています。
スマホ免許証(モバイル運転免許証)を利用するには?

スマホ免許証(モバイル運転免許証)を利用するには、ウォレットアプリのmdoc(えむどっく:mobile document:モバイルドキュメント)に、mDL(えむでぃーえる:mobile Driver’s License:モバイルドライバーズライセンス)を搭載する形での実現になるものと思われます。
端的に言えば、
で、マイナンバーカードのスマートフォン搭載と同じ仕組み、ということだと思われます。
mdoc(エムドック)とは?
mdoc(えむどっく)は、「mobile document(モバイルドキュメント)」の略称。
スマホの中に入る「デジタルな身分証の入れ物」のようなものです。
例えば、普通の財布にはカードや免許証をしまう場所がありますよね。
mdocは、それをスマホの中で安全にしまっておける“デジタルのお財布”みたいなものです。
中には運転免許の情報や顔写真などを入れられて、必要なときに取り出して見せられます。
mDL(エムディーエル)とは?
mDL(えむでぃーえる)は、「mobile Driver’s License(モバイルドライバーズライセンス)」の略称。
スマホに入った「デジタル運転免許証」そのもののことです。
例えば、プラスチックの免許証を持ち歩かなくても、スマホの中にあるmDLを見せれば、警察官やお店の人に「この人は免許を持っています」と証明できます。
言いかえると、mDLは“運転免許証のデジタル版”です。
参考リンク「スマホで運転免許証を提示!を実現する技術「mdoc」と「mDL」とは?」
スマホ免許証(モバイル運転免許証)の使い方?ステップ【仮】
将来、スマホ免許証が実現した場合の利用イメージは次のとおりになると思われます。
今後、正式に公開されたら、本記事の内容を更新していきます。
ステップ1:アプリのダウンロード
デジタル庁が提供する公式アプリをスマホにインストールします。
ステップ2:本人確認と登録
マイナンバーカードや免許証を読み取り、顔認証などで本人確認を行い、免許情報をスマホに登録します。
ステップ3:提示方法の選択
運転時の検問や本人確認の場面で、アプリを起動しQRコードや電子証明書を提示します。相手側の端末で読み取ることで免許情報が確認されます。
ステップ4:更新・再発行
免許更新時や機種変更時は、アプリ上で再度本人確認を行い、新しい免許情報をダウンロードします。
マイナンバーカードのスマホ搭載が主流の世の中へ
スマホ保険証はいつから?使い方は?使える医療機関・薬局は?でも記載したとおり、マイナンバーカードは、スマホ利用が全体の世の中になっていくでしょう。
今までは、ちょっとそこまでの買い物や通院に、マイナンバーカードを持っていく必要がありました。
通院に関しては、スマホ保険証対応医療機関へ行くならスマホだけでOK!
しかし、車の運転には、マイナ免許証や、免許証自体を携帯するため、財布を持ち歩く必要がありました。
スマホ免許証(モバイル運転免許証)が対応されれば、
- 運転 → スマホ免許証
- 通院 → スマホ保険証
- 決済 → スマホのタッチ決済やコード決済
で、本当に財布を持ち歩かなくてもよい時代が見えてきます!
早くそんな世の中になりませんかね?
以上、ご参考になれば幸いです。
参考リンク
デジタル庁
- デジタル社会の実現に向けた重点計画
- 平大臣記者会見(令和7年6月6日)
- マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に関する検討会(第6回)
- マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に関する検討会(第5回)
- マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係るセキュリティ規定作成業務調達仕様書