2025.10/1から、全国一斉に「マイナ救急」が開始しました。

- マイナ救急って何?
- 実際に利用することになった時の流れはどうなる?
こんなギモンにお答えします。
本記事では、マイナンバーカードを活用した救急業務(いわゆる「マイナ救急」)について解説します。

マイナンバーカードの活用がどんどん広まっていきますねー
5分くらいで、マイナ救急のことがかんたんにわかりますので、ご一読いただけますと幸いです。
マイナ救急とは?

マイナ救急とは、「マイナンバーカードを活用した救急業務」のことで、健康保険証利用登録済みのマイナンバーカードを利用して、救急医療に活用する仕組みです。
従来の救急搬送では、
などで、
などで、適切な応急処置行為を、迅速に行えないという課題がありました。
「マイナ救急」では、救急搬送時にマイナ保険証を活用して、
などを確認できるようにして、
などの対応を効率的かつ確実に行えるようになりました。
もし、患者が意識を失っていたり、家族が同伴していなかったりする状況でも、救急隊や医師が迅速かつ正確に医療情報を把握できるようになりました。
「マイナ救急」導入の背景

マイナ救急を導入するに至った背景があります。
救急搬送は年間700万件を超えており、特に高齢者では複数の薬を服用しているケースが多くあります。
その中で「どんな薬を飲んでいるか分からない」「アレルギーの有無が不明」という状況は、誤投薬や処置遅延につながります。
こうした課題を解決するため、政府は医療DXの一環として「マイナ救急」を導入。
すでに始まっている「マイナ保険証」と連動しながら、救急現場で役立つ情報を素早く提供できる体制を整えていくこととなりました。
マイナ救急の利用の流れ

では、我々が今後、実際にマイナ救急を受けるときの流れはどうなるのでしょうか?
マイナ救急の流れは次の通りです。
ステップ①:119番通報(救急車を呼ぶ)

まずは、本人やご家族などから、119番通報で、救急車を呼びます。
ステップ②:意思疎通確認される


意識不明な場合など、意思疎通が不可の場合もあります。
ステップ③【意思疎通不可】:家族などからマイナ保険証利用の承認を貰う(急を要する場合は承認不要)

救急隊が「救命救急が必要な患者のマイナ保険証を利用してもよいか」と、家族などへ確認・承認をもらいます。
もし、命の危険がある場合、救急隊は、承認不要でマイナ保険証を利用します。
例えば、救急隊員が、患者の持ち物(財布やカバン、手帳型の携帯を開くなど)の中に、マイナンバーカードが無いかを確認します。

もし、命の危険がある場合、救急隊は、本人の承認も不要でマイナ保険証を利用します。
ステップ③【意思疎通可】:本人からマイナ保険証利用の承認を貰う

本人が意思疎通可能であれば、救急隊が、マイナンバーカードの有無・マイナ保険証登録の有無などの確認し、マイナ保険証利用の承認をもらいます。
ステップ④:救急隊がマイナ保険証確認

承認がもらえたら、患者の状態によりますが、
- 救急隊がマイナ保険証をお借りする
- 患者本人がマイナ保険証を専用の機械に当てる(読み取り)
などして、マイナ保険証を読み取ります。
ステップ⑤:応急処置・救急搬送

救急隊が、救急サマリー(名前、薬剤情報、既往歴など)を確認し、適切な応急処置や搬送先の選定を行います。
救急隊から搬送先病院へ、マイナ保険証で得た患者情報や、患者の状態を伝達します。

搬送先病院側は、救急隊から得た情報をもとに、治療などの対応準備を進めます。
これにより、従来は「本人や家族から聞き取り → メモに残す → 医師に伝える」というプロセスに数十分かかっていたところ、数秒で必要情報を把握できるようになります。
マイナ救急で参照される情報は?
マイナ救急で参照される情報「救急サマリー」は、以下のとおりです。
- アレルギー(薬・食物など)
- 服薬中の薬(血圧薬、糖尿病薬、抗凝固薬など)
- 持病や既往歴(心臓病、脳卒中、糖尿病など)
- 緊急連絡先(将来的に拡充予定)
これらの情報は救急現場において最も重要であり、数十秒で確認できることが「マイナ救急の最大の特徴」といえます。
マイナ救急のメリット3つ
マイナ救急を受けるにあたってのメリットは3つです。
メリット①:患者本人の安心
「マイナ救急のメリット」の1つ目は、患者本人の安心です。
意識を失ったり、言葉が出ない状態でも、事前登録した情報を救急隊が確認できるため「自分の命を守る仕組みを持ち歩いている」という安心感があります。
特に独居高齢者や持病を持つ人にとって心強いサービスです。
メリット②:医療現場の効率化
「マイナ救急のメリット」の2つ目は、意思や救急隊の手間が減ることです。
医師や救急隊にとってもメリットは大きく、これまで数分〜十数分かかっていた情報確認が数十秒で完了するため、初動対応のスピードが格段に上がります。
さらに、情報の正確性が担保されるため、誤診・誤投薬のリスクも減ります。
メリット③:社会全体の医療安全の向上
「マイナ救急のメリット」の3つ目は、医療安全の向上です。
マイナ救急が普及すれば、全国どこで倒れても正しい医療情報を迅速に確認できます。
これにより救命率の向上だけでなく、医療ミス削減・医療費抑制といった社会的メリットも期待されています。
マイナ救急はいつから?
では、マイナ救急はいつから使えるのか? という点が気になる方も多いでしょう。
2025年10月1日(水)
より、全国で同時運用開始しました。
マイナ救急を利用するには?
では、マイナ救急を利用するには、どのような準備が必要なのでしょうか?
必要な準備

「マイナ救急の登録方法」はシンプルです。
マイナ保険証に登録しておくことだけです。
マイナンバーカード健康保険証のデメリット3つ・メリット8つを解説!
実際の使い方
救急時には、必ずしも本人がカードを提示する必要はありません。
財布やバッグに入っていれば、救急隊が発見して読み取ることができます。
したがって、日常的にマイナンバーカードを持ち歩くことが重要です。
マイナ救急のデメリット2つ
マイナ救急を受けるにあたってのデメリットは2つです。
デメリット①:事前にマイナ保険証の登録が必要
マイナ救急を受けるには、マイナンバーカードを健康保険証化しておく必要があります。
マイナンバーカード健康保険証のデメリット3つ・メリット8つを解説!
デメリット②:プライバシーの懸念
マイナ救急のデメリットの2つ目は、プライバシー問題です。
患者本人に意識がなく、命の危険がある場合、救急隊の判断でマイナ保険証を確認できます。
「勝手に私の情報、見ないで欲しい」という方もいらっしゃるでしょう。
特に、女性の方は、妊娠の情報や不妊治療の情報など、あまり他人に見られたくない、と思う情報も確認されます(治療に絶対必要な情報ではありますよね)
残念ながら、ご自分に意識がなく、命の危険があると判断されれば、問答無用に確認されます。

ぬくぬくとしては、おひとり様なので、別にみられて困るものもないので是非どうぞ!というスタンスです。
マイナ救急でよくある質問(FAQ)
登録は必須?
いいえ。マイナ救急自体へのサービス登録は不要です。
ただし、マイナ保険証に登録しておく必要があります。
利用料金はかかる?
マイナ救急自体は、無料で利用できます。
マイナンバーカードの取得やマイナポータル登録にも費用はかかりません。
ただし、お住いの市区町村によっては「救急車台」がかかると思いますので、そちらの費用は今までと変わらずかかります。
情報は誰が見られる?
救急隊や病院の医療従事者など、救命に必要な場合のみ参照されます。
無制限に閲覧されることはなく、プライバシーは保護されています。
マイナ救急のまとめ
マイナ救急とは、マイナンバーカードを使って救急現場で医療情報を迅速に共有できるサービス
マイナ救急の仕組みは、カード読み取り→情報確認→病院引き継ぎの流れ
マイナ救急のメリットは、安心・効率化・医療安全性の向上
マイナ救急はいつから? → 2025年10月1日より全国開始
マイナ救急の登録方法 →特に不要。マイナ保険証の登録は必要。
👉 「もしもの時に命を守る」ために、今のうちにマイナポータルからマイナ保険証の設定をしておきましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
参考リンク
下呂市
厚生労働省
- 救急時医療情報閲覧に係る運用フロー
- オンライン資格確認について(医療機関・施術所等、システムベンダ向け)
┗参考資料|救急用サマリーの帳票レイアウト(サンプル)(2024年9月13日更新)[97KB]
総務省消防庁
社会保険研究所
社会保険診療報酬支払基金




